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10月26日に認知症の市民公開講座を春日市役所からの依頼で開きました。多くの春日市民にお越しいただき、1時間の話を聞いていただきました。
中でも皆さんの関心が最も高かったのが、今年12月にも発売が予定されているアルツハイマー型認知症の薬・商品名レケンビ(レカネマブ)についてです。
以前から新聞では、アメリカで認可された際も話題になり、日本での認可が決まって更に盛り上がっている状況で、我々使う側の医師へも講習会などが行われ始めました。
米国の8月の論文では、「新たに開発されたアルツハイマー病の治療選択肢に対して広く関心が持たれているのは当然のことだ。アルツハイマー病は深刻な疾患であるが、これまで20年以上にわたって新規に承認されたアルツハイマー病治療薬はなかったからだ」と書いていて、まさに待望の薬である。
まず、皆さんに知って欲しいことは、レケンビ(レカネマブ)という薬は使える患者さんが決まっていることです。現在、日本で発売されている認知症薬は4種類(5剤形)ありますが、使うことについては認知症の程度・条件などについては細やかな規則がないということです。
レケンビ(レカネマブ)を使用する際には、腰椎穿刺やアミロイドPETといった検査を行い、基準を満たす必要があります。現在の日本の医療ではここまでの検査を行い、診断を確定することは極めて稀です。更に認知機能についても境界型(MCI)もしくは軽度認知症という基準が設けられています。
治験においては、脳卒中や心疾患、がんの既往歴、脳画像検査で確認された小さな脳出血や脳損傷などがあるケースは除外されました。そうしますと米国のメイヨークリニックでは治験対象者237人のうち、治療適格患者は8%(19/237人)にまで絞られたとされています。
おそらく、他にも条件が設定されるため、高齢のアルツハイマー病患者の大半がこれらの治療薬の使用の対象外とされてしまう可能性があると考えられています。
また上の頭部MRI検査で示しますようにアミロイド関連画像異常(ARIA)と呼ばれる脳の浮腫性変化(ARIA–E)や出血性変化(ARIA–H)といった副作用が生じる可能性があります。
治験ではこの副作用により死亡された症例もあります。これは、この薬剤が急速かつ長期に脳からアミロイドβを除去する作用が強いため、血管壁に沈着したアミロイドβも除去し、血管の破綻を生じARIA–EやARIA–Hといった副作用をおこすと言われています。
米国では1年間の医療費が約390万円と高額です。日本でも同様の設定になることが予想されます。高額療養費制度があるため、患者の自己負担は、70歳以上の一般所得層(年収156万~約370万円)の場合、年14万4000円が上限となりますが、これも大きな問題です。
まだまだ十分情報がでてきているわけではありません。この情報はR5年10月末の段階でわかっていることになります。また、わかり次第お伝えしたいと思います。
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