EPSON003
[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[
https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]

7月8日の全国紙に一斉に大きく扱われた記事についてのお話です。
R5/1月にアメリカでは迅速承認を出し、既に「レカネマブ」の販売がなされています。

車の免許で言えば「仮免」状態だったのですが、半年経過して本承認に繋がったとのことです。日本でも厚労省へ申請されていますので、早ければ秋にも承認される可能性があります。

このブログでも何度も書きましたが
①症状悪化が27%下げることができる。
②使用できる患者さんは、境界型かごく早期のアルツハイマー病のみ
③アメリカでは1年間の医療費が約380万人
④副作用として微小出血~脳浮腫が1-2割の患者におこる
⑤抗血小板剤服用中の患者さんは服用できない
などの問題点もありますし、治療にいくまではたくさんの検査(高額な医療費)や定期的なfollow up体制やMRI検査などもありますので、決して平たんな道ばかりではありません。

実際に処方される患者さんは早期アルツハイマー型認知症の1-2%とメーカーは推測しています。

ざっくり700万人の認知症患者の2/3がアルツハイマー型として466万人。
早期が10%とすると、46.6万人x0.01ですので4660人程度と試算できます。

アメリカでは今年1月から来年3月までに1万人使うと予測されていますので、高齢化率・医療保険制度などの違いがあるので比較できにくいですが、恐らく数千人が日本で使うものと思われます。

まだまだ日本では治療する医療機関だけでなく、検査体制もまだ整っていないですし、遺伝子検査や「レカネマブ」を使えない患者さんへの対応なども含めて課題は山積しているのではないかと考えます。


ドナネマブ

[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[
https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]

 

本日は新聞記事からの話題になります。

先日も「エーザイ」社から新しいお薬がアメリカで認可されたお話を提供しました。

 

今回は同系統のお薬「ドナネマブ」」が初期アルツハイマー病(AD)患者の認知機能低下を抑制したという結果を「イーライ・リリー」社が報告しました。

 

対象:6085歳の軽度認知障害(MCI)または軽度認知症患者で、進行の予測バイオマーカーであるタウタンパクのレベルがタウPETで診断し「中程度」であった1182人。

 

主要評価項目はアルツハイマー病評価尺度(iADRS)で、18カ月間で対照と比較して35%の抑制効果(p<0.0001)を示しました。
また、副次評価項目(Clinical Dementia Rating-Sum of BoxesCDR-SB)も36%抑制しました(p<0.0001)。

レカネマブも同様の評価項目があり、結果は27%でしたので、効果は強い印象です。)


ドナネマブ群の47%は、1年後にCDR-SBが低下しておらず(プラセボは29%p<0.001)。また18ヵ月後の日常生活動作能力(ADCS-iADL)の低下も40%抑制された(p<0.0001)
アミロイドPETでは開始後6ヶ月でアミロイド沈着の有意な減少が生じ、6ヶ月時点で34%12ヶ月時点で71%の参加者が病理学的にアミロイド陰性といえるレベルになった。

 

問題の副作用ですが、アミロイド関連画像異常(ARIAの発生率は,ドナネマブ群ではARIA-E(浮腫)は24.0に発生し、6.1が症候性でした。ARIA-H(出血)は31.4(偽薬群で13.6)で大部分は軽度~中等度でした。重篤なARIAの発生率は1.6で、ドナネマブを服用した868人の患者のうち,3人が死亡しました。死亡例の2人は薬剤の副作用であるARIAに直接関連しており、もう1人もARIAが重症化した後に発生したと考えられます。

 

この「ドナネマブ」ですが、アメリカでは本年6月に申請。日本でも年内に申請を出すことになっているようです。

レカネマブ」の時も書きましたが、まだ使えるわけでもないですし、承認どころか申請もされていない状況であること。

 

使える患者さんはアルツハイマー型認知症患者さんのごく一部(境界型もしくはごく軽度)しかいないこと、「レカネマブ」同様、死に直結する副作用の発現がおこること。患者さんの選択・観察方法や「レカネマブ」が350380万円/年間の医療費がかかるので、同様な高額な医療費がかかることなど、まだまだ問題は山積しています。

 

今後の報告を楽しみにしています。

池田脳神経外科 092-589-0150
池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/
池田脳神経外科フェイスブック https://www.facebook.com/ikedansc
頭痛日記  http://headacheikeda.livedoor.blog/
認知症日記 http://dementiaikeda.livedoor.blog/
You Tube(池田脳神経外科公式チャンネル) https://studio.youtube.com/.../UCvzun1zl.../videos/upload


20230416讀賣新聞
IMG_8316

[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]

 

本日は324日に福岡大丸エルガーラホールで行われた第3回脳活新聞フェアについてです。

これは西日本新聞が脳活新聞としての情報を提供していて、その延長戦での講演会でした。

 

当日は100人ほど入る会場に、5人の講師がそれぞれのテーマでお話をするといった内容です。私は11時からのスタートでしたので、1030分前に会場に着きましたが、大変熱気のある会場でたくさんのお客様が来場されていました。

 

もちろん、私の前の講師の講演が行われていたのですが満員御礼です。そして既に私の講演を待っているお客様もおいでになっておりました。

講演会場の横では、物販・製品紹介のブースが設けられていて、そこもたくさんのお客様が訪れていて熱気ムンムンでした。

 

私の講演は午前1110分スタートでしたが、会場整備の関係で1115分から始まりました。少し高い所から話ができること。観客席が近いこともあって非常に話がしやすかったですし、前の講師がお上手だったので会場がよく温まってました笑。(お笑いの人が良く言うセリフです。)ですので、会場のリアクションも大きく、私も凄く話しやすかったです。

 

講演内容の一部が、後日西日本新聞にも掲載されましたので、紹介しております。その後、私の患者さんのご家族が数人見に来られていたようで、「あんなふうにじっくり話が聞けて良かった」とか、「なかなか外来では聞けない話も聞けて良かった」とか反響を頂きました。

 

まだまだ必要な人に大事な必要な情報が届いていないのを肌で感じることもできました。毎年、私のいます春日市では「認知症講演会」を秋にさせていただくわけですが、このような会の大切さを改めて知ることにもなりました。

池田脳神経外科 092-589-0150

池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/

池田脳神経外科フェイスブック https://www.facebook.com/ikedansc

頭痛日記  http://headacheikeda.livedoor.blog/

認知症日記 http://dementiaikeda.livedoor.blog/

You Tube(池田脳神経外科公式チャンネル) https://studio.youtube.com/.../UCvzun1zl.../videos/upload



↑このページのトップヘ