今日も最近の研究論文をご紹介いたします。
(雑誌)Neurology 11月23日号
(著書)Johns Hopkins Univeristy School of Medicine: Michelle M. Mielke
(内容)1968-1969年の時点で38-60歳で、2000-2001年まで追跡できたスウェーデン人1462人の女性を対象にしている。その中で161人が認知症を発症し、そのうち半分がアルツハイマー病であった。
教育歴・血圧・BMI・年齢で補正し、1968年のコレステロール値がアルツハイマー病のリスク・ファクターになりえるかをしらべた結果、関連がなかったことを報告した。
今までにコレステロール値が将来的な認知症の発症に関与していることは報告されてきました。しかし、多くはいわゆる血管性認知症であり、血管性認知症は脳卒中が基盤になる疾患ですので、コレステロール値が高い場合には脳梗塞の危険因子ですので、コレステロール値が高いと認知症がおこりやすいというデータは納得できます。しかし、アルツハイマー病の危険因子にはなりえないことは非常に大事な研究結果ではないでしょうか?