75歳以上の運転免許更新者に義務づけられている認知症の疑いを調べる「講習予備検査」の判定を通じ、山形県公安委員会が高齢者1人の免許を取り消していたことが分かった。認知症を理由に運転免許証を自主返納するケースは増えているが、強制的な失効は初めて。
 
 H21年年6月に施行された改正道路交通法で認知症のcheckが75歳以上の高齢者では義務付けられた。検査は認知症の疑いを調べるため年月日や曜日を答える「見当識」、イラスト内容を思い出す「手がかり再生」、時計盤や針を描く「時計描画」の計3項目で実施している。これまでの受検者の約70%が「問題ない」との結果が出ているが、「少し低下」が約28%、「低下している」が約2%となっている。
 
 「低下している」に該当し、過去1年以内もしくは次の更新までに信号無視や一時不停止などの交通違反がある場合、医師の診察が義務づけられ、そこで認知症と診断されると免許が取り消しとなる。山形県内では今年7月末までに6人が医師を受診し、このうち1人が認知症と診断されたという。
 
 一方、認知症を理由に、家族などへの相談を通して自主返納するケースも増加している。今年上半期(1~6月)には、認知症を含む病気などを理由に68人(前年同期比21人増)が自主返納した。
 
 こういうニュースが出てきたのは初めてで、県の公安委員会でも積極的な対応が望まれるが、それ以前に自主返納していただけるような取り組みがあってもいいのではと思われる。

 以前アメリカでビタミンEの大量摂取がアルツハイマー病の発症リスクを低下させる発表がありました。
 
 今回はオランダから同様の発表があります。
 Archives of Neurologyに発表された論文です。
 
 5395人の55歳以上のオランダの中高年を対象として、食べ物からビタミンEを摂取する上位1/3の人は120人が認知症を発症したのに比較して、下位1/3の人は164人が認知症を発症したという結果でした。
 
 みなさんご存知のようにビタミンEは抗酸化作用があり、アンチエイジングという意味で大切なものです。それが認知症発症予防の観点からも非常に大事だということです。
 
 似たような報告はいくつもあり、人種は関係ないようです。
 
 ぜひ、皆さま実践されてみてください。

Neurologyの7月13日号に掲載された論文です。
 
ドイツ、ミュンヘン工科大学のRobert Perneczky博士の論文です。
 
「頭が大きい人のほうがアルツハイマー病の発現が遅いことが、新しい研究によって示唆された。脳が大きいほうが予備の認知能力が高いことがおそらくその理由であるという」ことのようです。
 
 米ボストン大学医学部のLindsay Farrer氏は「頭のサイズと脳のサイズ、アルツハイマー病の悪化速度が関連するかどうかは不明だが、関連があるとすれば、同疾患に対する個別化治療の道が開かれる可能性がある。最終的な目標は、アルツハイマー病を早期に発見し、薬物療法をより効果的に用いることである」と述べている。
 
 今回の研究は、脳のサイズと、アルツハイマー病などの疾患によりニューロンが変性したときに “不足を補う”ために利用可能な他のニューロン数との関連を模索したもの。Farrer氏らは、アルツハイマー病患者270人の医療記録を調べ、脳萎縮、頭囲(脳サイズの指標)と疾患経過との関連を検討した。
 
 研究結果を患者の年齢や民族などの因子に影響されないよう調整後、頭の大きい患者では脳萎縮が少ない傾向がみられ、認知症もそれほど進行していなかった。頭の大きい人と小さい人の差は統計学的観点から見ると有意であるが、Farrer氏は、脳全体としての機能におけるこの差の意味を正確に記述することはできないとしている。
 
 研究著者であるドイツ、ミュンヘン工科大学のRobert Perneczky博士は「脳のサイズと疾患の速度に関連があるとすれば、頭が大きいと脳も大きく、神経細胞が多く、細胞間の連結も多いことが1つの可能性として考えられる」と述べている。
 
 言われている内容は理解できますし、そういうことがあってもいいかなあとは思いますが、アルツハイマー病の本質からは外れているような気がします。ただし、Neurologyに掲載されているわけですから、内容があると判断されてのでしょう~。

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