20230328読売小阪先生死亡

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今回はこの新聞記事からです。
第三の認知症ともいわれる「レビー小体型認知症」を発見された小阪先生が3月16日亡くなられた。
83歳でした。

先生の功績は「レビー小体型認知症」を発見されたことです。
最初の1例目から「これは何かが違う」と感じられ、1976年に発表されたことから始まります。
世界的に認められたのは1996年のことですから、ここまでに20年の月日がかかっています。

今や世界的にも「アルツハイマー型」「脳血管型」「レビー小体型」を三大認知症と呼ぶわけですから、
その功績は大ということです。

私が最後に先生のお話をうかがったのがH29年に金沢で日本認知症学会が行われた時です。
その際も先生は以前より少しお痩せになられていて、その際もこのような活動ができるのは、
最後かもしれませんというようなお話をされたのを記憶しております。

その後、コロナ禍などがあり学会活動も相当縮小されたこともあって、お声を拝聴することは
かなわなかったわけです。

認知症とは大変歴史の浅い疾患であり、一番有名なアルツハイマー型ですら120年程度。
レビー小体型で約50年あまりです。

人類は感染症・脳卒中・がん・心臓病などを治療していき、長寿となった現在、認知症という
疾患に悩まされてきました。今後もこの戦いは続くと思われます。

そんな中で先生の逝去のニュースは時代の流れなのかもしれませんが、これからも戦いを
継続する我々にとっては「もっと頑張れ~!」と叱咤激励されているような気持にもなります。

先生のご冥福をお祈り申し上げます。


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長谷川先生
AGD
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 本日は超高齢者に多いとされる歯齦顆粒性認知症(しぎんかりゅうせいにんちしょう)についてお届けします。

 高齢者においても三大認知症と言われるアルツハイマー型認知症脳血管型認知症レビー小体型認知症の割合がもちろん多いのですが、それ以外に超高齢者の認知症として、あまり聞き馴染みのない嗜銀顆粒性認知症・神経原繊維変化型認知症といった認知症があります。

 嗜銀顆粒性認知症は、1987年にBraakらが発表した新しい診断名です。
この疾患が有名になったのは、日本では認知症のテストとして大変有名な
長谷川式(HDS-Rという検査法がありますが、それを開発した長谷川和夫先生が、この疾患になられたことを公表されて一気に知名度が上がりました。

 特徴として、
高齢(80歳以上)で発症することが多く、進行もゆっくりとしています。症状としては、更に頑固になり、自分勝手で怒りっぽくて対応が難しいとご家族が困ることが増える疾患です。MRI検査(上記当院症例参照)では、海馬の萎縮が左右非対称であることが特徴です。当院で経験した症例でも、赤い矢印の海馬が左右非対称になっています。

 
長谷川和夫先生の発症も88でした。2020111日にNHKで放送された「認知症の第一人者が認知症になった」は、長谷川先生の生活を追ったドキュメントで、この嗜銀顆粒性認知症の症状と思われるものが放送されています。
 認知症医療の第一人者である長谷川和夫先生が「自分の姿を見せることで、認知症とは何か伝えたい」と、当事者としての不安、さらに家族の葛藤が番組の随所に見ることができます。この病気も根治法はなく、激しくなった症状を緩和する薬剤の投与などしかありませんが、寧ろこの
NHKの番組を見ることが役立つ方法かもしれません。

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 米国の有名な俳優である
ブルース・ウリスが「前頭側頭型認知症」になっていることが公表されました。大変、勇気のいる行動ですが、関わる我々にとっては大変ありがたいことです。

 まず、誰でもなる可能性があることが改めてわかること。それと今回は「前頭側頭型認知症」と比較的に稀な疾患であり、啓発活動がやりやすくなるなどの恩恵があることなどです。

 2022330日ブルース・ウリスの娘で女優のルーマー・ウリスが、父であるブルース・ウリスが失語症のため俳優を引退することを発表しました。その後、引退発表から約1年後の20232月中旬に、「失語症診断を発表してからも病状は進行しており、前頭側頭型認知症の診断された」と家族より発表され、世間を驚かせることになりました。

 前頭側頭型認知症とは、四大認知症(①アルツハイマー型認知症 ②脳血管型認知症 ③レビー小体型認知症 ④前頭側頭型認知症)の一つです。日本の統計では、認知症全体の1.0%当院の統計では1.2の比較的稀な疾患です。

 主として初老期に発症し、やや男性多い疾患です。大脳の前頭葉や側頭葉を中心に神経変性を来たし、人格変化や行動障害、失語症、認知機能障害、運動障害が緩徐に進行する疾患です。性差はなく、70歳以上で発症するのは比較的稀で、日本以外では同じような疾患の家族歴を有することがあると言われています。ブルース・ウリスさんも66で発症したとなっています。

 前頭側頭型認知症は脳の障害される場所と症状によって、行動障害型と言って認知症というよりは社会的な行動が取れない(ルールが守れない・身勝手な行動をする・万引きする・甘いものを異常に食べる)タイプと失語症が主体の言語障害型2つに分けられます。


 ブルース・ウイリスさんは失語症状で発症しているようなので、言語障害型前頭側頭型認知症と言えると思います。意味性認知症なのか、進行性非流暢性失語症なのかはマスコミ発表の文面から判断することはできません。

 意味性認知症は言葉の意味が分からないために、会話がなかなか成立しなくなっていきます。言葉数としては、まずまずあるのですが会話としては成立しづらい印象です。

 進行性非流暢性失語症は、話そうとする言葉の意味は理解できているものの、次に続く言葉がなかなか出てこないという症状がでてきます。ですので、言葉数が少なく、選択式で尋ねると選ぶことは可能ですが、経過とともに殆ど話せなくなっていきます。

 いずれのタイプであっても他の認知症同様、根治させる治療方法はありません。抗認知症薬の効果は一定しておらず、積極的な使用も勧められていません。個々のケースに応じて治療することになります。

 


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