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前回に引き続き、介護保険サービスについての話題です。

この4月で介護保険制度ができて丸20年。
少しずつ形態を変えながら継続しています。
問題は「お金・人」だと前回も書きました。

優秀な人材がいても、組織に長続きしないことが常にあります。
介護と離職は切っても切れない関係性にあり、家庭の問題で離職する人もいる反面、多くの原因は3つあると思われます。

①給料 ②休み ③人間関係

です。もちろんこれは、介護だけの問題ではなく、多くの職場に共通する項目なのかもしれません。

①給料については、地域地域によって格差はあるでしょうが、基本的には国からもらえる額は決まっていますので横並び、魅力的に見えるような金額の差はおこりにくいと思います。

②休みについても、国から明確な労働条件が提示されていますので、それに準拠していますので、大きな差がでにくいものと思います。

③人間関係については大きく違いがあると考えられます。
場所によっては、年齢も上・経験年数も上・仕事は雑・周りへの悪い影響を及ぼすような人がいます。もちろん、どんな仕事場でもそのような人はいがちなんですが、そのような環境では人は長続きしません。そうすると、給与・休みも比較的差がない。かつ仕事の内容にもあまり差がない環境ですので、容易に離職となっていくわけです。

現在、不幸にも新型コロナウイルス感染症で世界が不景気になうことは必至です。多くの仕事からあぶれる人がでてくることが予想されます。このような人の一定の受け皿になるのが「介護業界」と思われます。

ピンチを上手にチャンスに変えて、働きやすい職場環境にして、できるだけ離職者を減らすような努力をしていかないといけません。


介護保険維持困難

本日は3/23読売新聞1面の話題です。

タイトル通りの内容です。主要自治体へのアンケート調査で、9割の自治体が介護保険を維持するのは困難であるという認識を示しています。

理由はあきらかです。「お金と人」です。

1)お金
つまり介護保険料は20年で倍になっています。
自己負担も1割だったものが、収入に応じて2割になります。
残りは国と地方で半分ずつ出し合うというシステムですが、もう財源がなくアップアップなんです。

これから高齢者の数が増え、介護保険を利用する人が増えていくのですが財源がまったくない。現在40歳になってから介護保険料を支払っているわけですが、この年齢を引き下げることと高齢者で収入がある人の保険料を引き上げる以外に方法はないと思われるが・・・。

何れも政治的な決着が必要です。

2)人
介護業界で働く人がいないのです。2019年の有効求人倍率は4.20倍まで跳ね上がりました。
つまり、1人の就職に4.2社の求人ということになります。

今後、人がこの業界に流入していく可能性は極めて低いと言わざるを得ません。
理由はお金。給料の安さにほかありません。

うちもケアマネージャーを雇用していますが、募集しても人はなかなか集まりません。
市役所からもグループホーム・小規模多機能の事業所をやらないかという話しはありますが、建設費用・採算もありますが一番のネックは人が雇えないという点です。

何れの解決策も何れも「お金」なのです。
「お金」をあげるためには、負担を増大させるしか方法はないのです。

本日はこんな話題です。

認知症患者の介護費用については、大変大きな問題であり、重症度が増せば増すほど経済的負担が大きくなることは、容易に想像できます。

そういう問題を日本での前向き研究からの報告になります。
思った以上にお金がかかることにビックリした次第です。

雑誌:Journal of Alzheimer's Disease2020/1/19

 

著者:中西三春先生(東京都医学総合研究所)

 

目的:外来にて治療中のアルツハイマー型認知症の患者・家族を18カ月追跡し、社会的費用を算出したもの。

 

対象①:アルツハイマー型認知症患者は553人で、平均年齢80.3±7.3歳、女性72.7%。重症度は認知機能テスト(MMSE)で判定し、軽度(2126点)が28.3%、中等度(1520点)が37.8%、重度(14点以下)が34.0%だった。全体の70.9%が要介護認定を受けており、57.9%が介護サービスを利用していた。最も利用率が高い介護サービスはデイケアで、49.4%が利用していた。


対象②:介護者側は、平均年齢62.1±12.5歳、女性70.7%。当事者の子が49.0%、配偶者が37.1%を占め、78.8%が当事者と同居し、39.2%は1人で介護を担っており、47.7%は介護に加え就労もしていた。

方法: 医療・介護にかかる費用は以下の3つに分けて積算し、月平均費用を算出した。
1
.患者医療費

2.患者社会的介護費用(介護サービス費、家屋の改築、消耗品など)

3.介護者のインフォーマルケア費用(介護に要する時間や欠勤などによる労働損失を含む)

 

結果:

1.     介護者は月平均130.2時間費やしている。(軽症:97.2時間・中等症:118.2時間・重症:171.3時間)

2.     社会的費用は月平均224584円かかっている。

(患者医療費:26744円、患者社会的介護費用:69179円、介護者のインフォーマルケア費用:128661円)
(軽症:158454円・中等症211301円・重症:294224円)

結論:

1.     医療介護の社会的費用は患者が独居でないこと、ADLが高いこと、介護者が複数いることなどが、費用の低下と有意に相関していた。

2. 反対に費用の増大と有意に相関する因子として、要介護認定を受けていること、アルツハイマー型認知症診断からの経過期間が長いこと、介護者負担尺度(ZBI)のスコアが高いこと

この報告も2020年の日本のデータですので、今後大きく変化する可能性もあります。
しかし、介護費用は高くかかります。

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