なかなか更新せず恐縮です。今日も最新の研究報告です。
オックスフォード大学薬理学科のA. David Smith教授らは軽度認知障害(MCI)を有する高齢者に対するビタミンB群の有効性を検討した結果,「特定のビタミンB製剤を毎日服用することにより,高齢のMCI患者の脳萎縮率が半減する可能性が示された」とPLoS ONE(2010; 5: e12244)に発表した。
今回の研究は,同大学記憶・加齢研究プロジェクト(OPTIMA)の一環で,ホモシステイン値を下げるビタミンB群サプリメントによって,MCI患者やAD患者に認められる急速な脳萎縮の進行を鈍化させることが可能か否かを検討したものである。70歳以上のMCI患者168例を高用量のビタミンB製剤(葉酸0.8mg/日,ビタミンB6 20mg/日,ビタミンB12 0.5mg/日)投与群とプラセボ投与群に同数ずつ割り付け,2年間追跡した。疾患の進行は,MRIにより2年間の脳萎縮率を測定して評価した。
その結果,平均脳萎縮率は,プラセボ群の年間1.08%に対し,高用量ビタミンB投与群では同0.76%であった。最も恩恵が大きかったのはホモシステイン値が最高(13μmol/L超)の群で,脳萎縮率はプラセボ群の約2分の1であった。
今回の研究に対する助成団体であるアルツハイマー研究トラストの責任者Rebecca Wood氏は「一部の高齢者でビタミンB群によりADが予防できる可能性を示した今回の研究結果は,非常に重要である。今後この結果を,AD発症の高リスク患者を追跡する試験につなげていくことが求められる」と述べている。
まあ簡単な方法だけに予防できる可能性があれば試してみたいほうほうですよね。
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