今日は最新の研究報告です。
 
 
 
 
 認知症の周辺症状でも陽性症状では、しばしば抗精神病薬を使うことがあります。
 
 ただし、止め時が難しく、ついだらだら使って中止できないままになることが少なくありません。
 中止したら、どうなるかを検証した論文です。
 
 雑 誌:N Engl J Med(2012年10月18日号)
 内 容:精神障害や興奮、攻撃性により抗精神病薬リスパダールを16週間投与されたアルツハイマー病患者を対象とした試験。
 リスパダールによる治療に反応した患者を二重盲検により以下3群に割り付けた。
 第1群はリスパダールを32週間継続投与
 第2群はリスパダール投与を16週間行った後、プラセボを16週間投与。
 第3群はプラセボを32週間投与。
 
 主要評価項目は精神障害および興奮の再発までの期間とした。
 結 果:
・180例の患者がリスパダールの投与を受けた(平均用量:0.97㎎/日)。
・精神障害や興奮の重症度は減少したが、錐体外路症状の軽度な増加が認められた。
 ・112例の患者が治療反応基準を満たし、そのうち110例に無作為化が行われた。
・無作為化後、最初の16週では、プラセボ投与群はリスパダール投与群と比較し、再発率が高かった。
・次の16週間では、プラセボに切り替えた群はリスパダール継続投与群と比較して、再発率が高かった。
・各群における有害事象および死亡率において有意な差はなかった。
・精神障害や興奮のためリスパダールを4~8ヵ月投与されたアルツハイマー病患者では、リスパダール中止と 
症状再発リスクとの関連が認められた。
 
 
 
 という論文です。
 
 以前ですが、これと全く逆の結果の論文もあります。つまりリスパダールをやめても周辺症状の増悪がみられ 
ない。また認知機能も投与した群に比較して投与していない群のほうがよかったという結果です。
 
 玉虫色ですがこれからも同様の論文の結果を待ちたいです。