[https://care.blogmura.com/ninchisyou/ にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]
 ランキングに参加しています。クリックお願いいたします。 

本日はまさにタイトル通りの話になります。
認知症の診断には、一般的な病歴・家族歴・神経学的兆候・スクリーニング検査(長谷川式・MMSE)・神経心理学的検査(リバーミード・レーブン色彩マトリックス・FAB・SDSetc.)・頭部MRI・SPECT・MIBG心筋シンチ・採血・ECG・胸写などが施行されます。

当院では、その中では一般的な病歴・家族歴・神経学的兆候・スクリーニング検査(長谷川式・MMSE)・頭部MRI・採血(ECG・胸写)を通常行っています。

しかし経験豊富な専門医が各種検査を行ったも診断がつかないことが多々あります。
私自身も悩むケースでは大学病院で紹介することも稀にありますが、結局納得いく診断が得られないこともよくあります。

その理由としては脳の組織を病理検査することができないので、確定診断を下すのは亡くなって解剖するしか方法がないからなんだと思います。

アメリカのFrorida Brain Bankというものがあって、認知症患者さんがなくなられた後に病理解剖すると診断が間違っていたり、2つもしくは3つの診断名がつくことがよくあることを報告しています。

また日本でも同様の報告がなされており、臨床診断と病理診断が異なることは珍しくありません。

つまり、どのように一生懸命に診断しても間違っていることはよくあるのです。
ただ診断が違っても治療方法がさほど変わらない。もしくは、現時点では診断名が変わっても治療する選択肢があまりないので大勢に影響なしなのは事実なのです。

アルツハイマー型認知症に適応がある薬剤でも全く効果がないものもあれば、効果があるものもある。これは決して診断名が違うからではなく、その人の病気の特性として治療薬への反応性のなさに起因しているからだと考えています。

ただし、これから診断の精度が更に高くなり、治療する選択肢が増えていて治療効果が上がってくるようになると、適正な診断力が更に患者さんの予後を大きく変えることになる可能性があります。ですので診断に力をいれつつ、現状は上手に対応していく力が求められているのだと思っております。