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前回に引き続き、認知症の最新研究で「認知症」x「睡眠」の話です。
年齢を重ねると努力しないといい睡眠が取れなくなります。
睡眠の質も時間も年齢とともに低下していきますが、そこで認知症との関係を調べられています。

雑誌:Neuron(2017/4/5)

著者:Dr.Bryce Mander(America)

要約:高齢者に生じる睡眠の“断片化”は健康に影響し、うつ病や認知症など多くの疾患とも関連している。睡眠が断片化されると、夜中に何度も目を覚まし、深い睡眠段階がなくなってしまう。
 特定の疾患やその治療が睡眠障害を引き起こすことも事実だが、逆に、睡眠の質の低下がその疾患を引き起こすこともありうる。

 たとえば、睡眠障害と認知症の進行には「双方向」の関係があることが知られている。
認知症の患者では睡眠障害が起きやすく、一方で、睡眠の質の低下は記憶力やその他の認知機能の低下を加速させる。
認知症になると脳内で蓄積されるアミロイドβ蛋白は、深い眠りによって除去されるという動物研究の報告もある。
認知症と睡眠不足が互いに助長しあう「悪循環」に陥る可能性がある。

 一方で、高齢者では「早寝早起き」の傾向があり、若い頃よりも睡眠時間がわずかに短くなることも知られているが、こうした睡眠習慣の変化は正常であるという。

 睡眠は健康に影響する重要な生活習慣因子として、運動や健康的な食生活と同様に大切であると述べられている。
また、定期的な運動による効果の1つとして、睡眠の質の向上も期待できる。深い睡眠をとる能力は中年期から低下する場合も少なくないため、若いうちからケアをするべきだとアドバイスしている。

ごくごく常識的な結論です。
認知症と睡眠は切っても切り離せない関係であります。前回は寝過ぎには認知症発症の危険因子であることでしたが、いい睡眠はアルツハイマー型認知症の原因タンパクであるアミロイドβを除去するというほうこくもあって、本当に興味深いものです。