https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif
にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)
ランキングに参加しています。クリックをお願いします。

本日はおもしろい学会報告からです。

認知症は根本的な治療方法が現時点ではなく、最も大事なのは介護(ケア)であるという事は常々言っています。
また、認知症の薬(アリセプト・レミニール・イクセロンパッチ・メマリーetc.)はあくまでもお守り程度だともよくいいます。

そんな中で本日の話しは、やっぱ薬じゃないんだと~?!いう話しです。

学会:アルツハイマー病協会国際会議(AAIC 2017、7月16~20日、英国・ロンドン)

発表者:Dr.Barry Reisberg(ニューヨーク大学ランゴン医療センター)

今回の研究は中等度~高度のアルツハイマー病患者とその介護者20組のうち、
10組をメマリーに加えて包括的プログラムを実施する群(包括的プログラム群)に、
残る10組をメマリーと一般的な地域でのケアを実施する群(通常ケア群)にわけて、
28週間観察した研究結果です。

 包括的プログラム群は、専門スタッフが患者の自宅を訪問し、個々の患者に合わせて認知機能や身体機能の活性化につながる訓練や、患者の介護者に対する指導などが行われた。

 その結果、28週間後に日常生活に必要な機能の評価スコア(FAST)が通常ケア群では3ポイント向上したのに対し、包括的プログラム群では6ポイントも向上していた。

 その差は3ポイントだが、以前メマリーでの臨床試験ではプラセボ群と比べたメマリー群における同スコアの改善効果は0.4ポイントだったことから、同氏は「包括的プログラムとメマリーの併用療法によるアルツハイマー病患者の機能を改善する効果は、メマリー単独の7.5倍」と説明している。

「薬物療法は重要だが、それだけでは不十分であるのは確かだ。薬剤の効果は比較的小さいが、今回検討したプログラムの追加による効果は極めて大きいと考えられる」との見方を示している。

大変納得のいく結果と考えます。
いかに薬物療法以外のやり方が大事なことかを示すいい研究結果だと思います。

残念なのは割り振りが10組と10組と少ないこと。
加えて認知症のstageを早い段階に限定すること二なれば更に興味深い話になるんだと思います。

いずれにしても大事なのは薬よりケアということです。