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本日は最新の研究論文からの報告です。

過去にもベンゾジアゼピン系薬剤を使用すると認知症リスクが高くなる報告がたくさんあります。

例えばNeuroepidemiology(2016/12/24)でした。
結論としては
①ベンゾジアゼピン系薬剤使用患者における認知症オッズは、未使用患者と比較し、78%高かった。
②アジアの研究において高い相関が認められ(OR:2.40)、北米(OR:1.49)および欧州(OR:1.43)の研究において中等度の相関が認められた。
③糖尿病、高血圧、心疾患、スタチン系薬剤は、認知症リスク上昇と関連していたが、BMIは負の相関が認められた。

このように、ベンゾジアゼピン系薬剤使用はどうも認知症リスクが高まり、特にアジア人は要注意と考えられます。

今回は、同じような趣旨の論文です。

雑 誌:CNS drugs(2018/6/20)

発表者:Dr.Ross Penninkilampi(オーストラリア・シドニー大学)

研究目的:現在または過去の短時間/長時間作用型ベンゾジアゼピン薬の使用と認知症との関連を分析した。

結 果:
①常時、ベンゾジアゼピンを使用することで、認知症リスクは有意に増加していた(OR1.39)
②5年以上の最長ログタイムによる研究では、認知症リスクはわずかに弱まったが、以前として有意な差が認められた(OR:1.30)
③長時間作用型ベンゾジアゼピン薬(OR:1.21)は、短時間作用型(OR:1.13)と比較し、リスク値がわずかに高かったが、そのリスクは統計学的に有意ではなかった(p=0.059)。

何れにしても中年期~壮年期~老年期に
ベンゾジアゼピン系薬剤の使用は認知症リスクが少し高くなる。
使用するにしても一定期間にとどめ、長期使用にならないように注意する。
使用する際は長時間作用型は避け、短時間使用型にする。

こういうことだと考えます。
昨今は抗不安薬・睡眠薬もベンゾジアゼピン系薬剤の使用は減少し、それ以外の作用機序の薬剤も殖えてきています。
より薬剤の選択を心がけることが大切です。


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