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 認知症患者さんの興奮・徘徊・暴力などの陽性のBPSDに対して非定型抗精神病薬を使用することは、致し方ない面があるのは事実ですが、死亡率や脳血管イベントに対するリスク増加と関連が認められているために、十分検討する必要があります。

 今回は、その点についての日本から出た新しい研究報告を取り上げます。

雑 誌:International Journal of Geriatric Psychiatry(2018/11/27)

著 者:黒田 直明先生(筑波大学)

目 的:介護保険データを用いて、認知症高齢者における抗精神病薬使用率のより正確な推定値を算出し、抗精神病薬使用に関連する因子を特定するための検討を行った

方 法:地方都市の2012年4月~2013年9月までの医療および介護保険請求データ、要介護認定データを用いた。
75歳以上の認知症が疑われる高齢者(抗認知症薬を処方および/または要介護認定データにおける認知症疑い)における抗精神病薬の1年使用率を推定した。

結 果:
①参加者2万5,919例中、4,865例において認知症が疑われ、1,506例が抗認知症薬を処方されていた。

②抗精神病薬の使用率は、認知症が疑われる高齢者で10.7%であり、抗認知症薬を処方されていた高齢者(16.4%)より低かった。

③要介護認定データでの認知症疑いの高齢者4,419例において、抗精神病薬使用増加と関連が認められた因子は、認知機能低下(オッズ比:2.16)、抗認知症薬の処方(オッズ比:2.27)、介護サービス制度利用(オッズ比:2.34)であった。

④92歳以上では、77歳未満と比較し、抗精神病薬使用のオッズ比が低かった(オッズ比:0.42)。

考 察:これらのデータは、BPSDの負担を推定し、不適切な抗精神病薬使用を減少させるための対策を講じるうえで役立つであろうとしている。

当院でのBPSDに対する抗精神病薬の使用は10.2%であり、今回の研究結果とほぼ同じような結果であった。
数値は低い方がいいにはいいのだが、介護する家族の負担が大きければ意味は無い。やはり適正使用に努めたいし、一般的に10%程度の使用というデータが常識的であると理解しています。


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