カテゴリ: 認知症の症状

長谷川先生
AGD
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 本日は超高齢者に多いとされる歯齦顆粒性認知症(しぎんかりゅうせいにんちしょう)についてお届けします。

 高齢者においても三大認知症と言われるアルツハイマー型認知症脳血管型認知症レビー小体型認知症の割合がもちろん多いのですが、それ以外に超高齢者の認知症として、あまり聞き馴染みのない嗜銀顆粒性認知症・神経原繊維変化型認知症といった認知症があります。

 嗜銀顆粒性認知症は、1987年にBraakらが発表した新しい診断名です。
この疾患が有名になったのは、日本では認知症のテストとして大変有名な
長谷川式(HDS-Rという検査法がありますが、それを開発した長谷川和夫先生が、この疾患になられたことを公表されて一気に知名度が上がりました。

 特徴として、
高齢(80歳以上)で発症することが多く、進行もゆっくりとしています。症状としては、更に頑固になり、自分勝手で怒りっぽくて対応が難しいとご家族が困ることが増える疾患です。MRI検査(上記当院症例参照)では、海馬の萎縮が左右非対称であることが特徴です。当院で経験した症例でも、赤い矢印の海馬が左右非対称になっています。

 
長谷川和夫先生の発症も88でした。2020111日にNHKで放送された「認知症の第一人者が認知症になった」は、長谷川先生の生活を追ったドキュメントで、この嗜銀顆粒性認知症の症状と思われるものが放送されています。
 認知症医療の第一人者である長谷川和夫先生が「自分の姿を見せることで、認知症とは何か伝えたい」と、当事者としての不安、さらに家族の葛藤が番組の随所に見ることができます。この病気も根治法はなく、激しくなった症状を緩和する薬剤の投与などしかありませんが、寧ろこの
NHKの番組を見ることが役立つ方法かもしれません。

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 米国の有名な俳優である
ブルース・ウリスが「前頭側頭型認知症」になっていることが公表されました。大変、勇気のいる行動ですが、関わる我々にとっては大変ありがたいことです。

 まず、誰でもなる可能性があることが改めてわかること。それと今回は「前頭側頭型認知症」と比較的に稀な疾患であり、啓発活動がやりやすくなるなどの恩恵があることなどです。

 2022330日ブルース・ウリスの娘で女優のルーマー・ウリスが、父であるブルース・ウリスが失語症のため俳優を引退することを発表しました。その後、引退発表から約1年後の20232月中旬に、「失語症診断を発表してからも病状は進行しており、前頭側頭型認知症の診断された」と家族より発表され、世間を驚かせることになりました。

 前頭側頭型認知症とは、四大認知症(①アルツハイマー型認知症 ②脳血管型認知症 ③レビー小体型認知症 ④前頭側頭型認知症)の一つです。日本の統計では、認知症全体の1.0%当院の統計では1.2の比較的稀な疾患です。

 主として初老期に発症し、やや男性多い疾患です。大脳の前頭葉や側頭葉を中心に神経変性を来たし、人格変化や行動障害、失語症、認知機能障害、運動障害が緩徐に進行する疾患です。性差はなく、70歳以上で発症するのは比較的稀で、日本以外では同じような疾患の家族歴を有することがあると言われています。ブルース・ウリスさんも66で発症したとなっています。

 前頭側頭型認知症は脳の障害される場所と症状によって、行動障害型と言って認知症というよりは社会的な行動が取れない(ルールが守れない・身勝手な行動をする・万引きする・甘いものを異常に食べる)タイプと失語症が主体の言語障害型2つに分けられます。


 ブルース・ウイリスさんは失語症状で発症しているようなので、言語障害型前頭側頭型認知症と言えると思います。意味性認知症なのか、進行性非流暢性失語症なのかはマスコミ発表の文面から判断することはできません。

 意味性認知症は言葉の意味が分からないために、会話がなかなか成立しなくなっていきます。言葉数としては、まずまずあるのですが会話としては成立しづらい印象です。

 進行性非流暢性失語症は、話そうとする言葉の意味は理解できているものの、次に続く言葉がなかなか出てこないという症状がでてきます。ですので、言葉数が少なく、選択式で尋ねると選ぶことは可能ですが、経過とともに殆ど話せなくなっていきます。

 いずれのタイプであっても他の認知症同様、根治させる治療方法はありません。抗認知症薬の効果は一定しておらず、積極的な使用も勧められていません。個々のケースに応じて治療することになります。

 


202112讀賣サ高住

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2022年の始まりです。今年も何卒、よろしくお願いいたします。

本日は12月の読売新聞の記事からのお話です。

サービス付き高齢者住宅。一般にはサ高住(さこじゅうと呼んでおります)。
サ高住の事故についての記事になります。

令和2年度で5283件の事故があり、うち165件の死亡事故も含まれます。
2018年に比較すると2割増加ということですが、施設数も間違いなく増えていますし、どこまで報告するかによっても件数は異なるので、この件数だけでは何とも言えません。

サ高住はあくまでも施設ではなく、住宅です。
日中見守りの職員が1人以上配置されればいいわけですので、施設ではなく住宅です。
食事や、最低限の見守りがある程度だと思われればいいです。

入所する際の金額だけで決めると、大変です。
思っていた以上に金額は多いし、サービスは少ないしなんです。

本来であれば特別養護老人ホーム(特養:我々はとくようと呼びます。)が、そういう部分を補わないといけませんが、金額的な部分や都会地ではスペースの問題もあって、その肩代わりとしてサ高住が存在すると思います。

以前にも書きましたが、大きなサ高住の1階に診療所があって、ケアプランセンターに訪問看護ステーション、訪問介護ステーション、デイサービスセンターなども併せて併設することによって、
サ高住に入所すると、受診はそこの診療所で、ケアマネも併設のケアプランセンターで、訪問看護も訪問介護も併設するところで、つまりall-in-oneで丸めて使うということがよく見られます。

ですので、便利でいいという反面、まずいとなかなか他のケアマネに変わってもらったり、他のデイサービスを利用したりできにくくなるわけで一長一短ではあります。

もう少し市町村もしくは県がサ高住に対しての指導力を発揮していかないと、今後まずくなっていく可能性が高くなると考えます。


池田脳神経外科 092-589-0150
池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/
池田脳神経外科フェイスブック https://www.facebook.com/ikedansc
You Tube(池田脳神経外科公式チャンネル) https://studio.youtube.com/.../UCvzun1zl.../videos/upload...

市講演会2021

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本日は私が講師をさせていただきます。
市の認知症医療講演会についてです。

毎年、秋口に開かせて頂いていたのですが、コロナ感染症の現状。
それと講演会の会場が現在、大規模接種会場になっていることもあって、二転三転。
結局、12月に入っての開催となりました。

以前は、来てみたい市民の方には全員来て頂いていました。
多いときには150人を超える年もあったように記憶しています。
ケーブルテレビの取材に雑誌の取材もきて忙しい講演会になっていましたが、
コロナの事もあって、30人の定員。ソーシャルディスタンスを守っての講演になります。

このポイントに絞ってお話しするというよりは、疫学・症状・治療・予防・topicsなど
全ての項目にまんべんなくお話をしないといけません。
また聞きたい知りたい教えて欲しいという項目も事前アンケートで確認するのですが、
十分お答えできないという辛さもあります。

受診されていないケースでは受診へ
家族の異変に早く気づけるような気づきの場になればありがたいですし、
介護されている介護者の知識獲得になれば幸いと思って、お話をさせていただきます。

こういう機会は大変大事で、背中を押してあげる効果効能もあるように感じています。

池田脳神経外科 092-589-0150
池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/
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 本日は新聞記事からです。

 昨年4月16日、NHK「クローズアップ現代」という番組で「親のお金が下ろせない?!」という特集があり、当院でも患者さんからの問い合わせが殺到しました。

 もちろん、その番組前からそのような問題があったのは事実で、それほど重要視していませんでしたが、NHK番組以降、銀行側も少し意識が高くなっていろいろな問題が出てきたのは事実です。

 多くのご家族は、良好な親子関係の元で、子供さん達が親の預金を切り崩して介護費用にあてているわけですが、中には不当な利用や、甥姪などが故意に厳禁を引き出して、大変な問題になった事例もあり、慌てて後見人の申請などに至ったケースもあります。

 しかし、銀行側のお金の引き出しに対して厳格なルール作成は自らの首を絞めかねない事態であり、患者本人・ご家族・銀行側。誰をとってもマイナスになることはあっても、プラスになることは多くありません。

 金融庁を中心に簡単なルール作りがもとめられますし、元気な間にこれからの「お金の問題」(きれば車の運転・不治の病での延命治療なども含めて)については、一定の年齢になれば少し考えてみるような風習が日本全体で行われていけばいいのにと思う次第です。

 そのためにも、金融庁が上手なルール作りをして、先導していただき、そこから高齢化してきて問題になるいくつかの点について、元気なうちに判断できるうちに考えようという機運が高まるといいなあと思う次第です。

親の“おカネ”が使えない!?

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