カテゴリ: 認知症の最新研究

[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]
ランキングに参加しています。クリックをお願いいたします。

本日は教育レベルと認知症発症の関係性についての新しい研究報告になります。

通常は高学歴の人の方が認知症になりにくいという報告が圧倒的におおいのですが、そうではないという報告になります。

雑 誌:Neurology.2019 Mar 5;92(10):e1041-e1050

著 者:Wilson RS et.al

所 属:Rush University Medical Center, USA

趣 旨:教育レベルは認知症の発症年齢や進行速度と関連しない

目 的:従来の研究では、高学歴の人は低学歴の人に比べていったん認知機能低下が始まると進行が速いことや、脳内のアルツハイマー病マーカー値が高い高学歴の人はマーカー値が同程度で低学歴の人ほど認知機能低下が急速ではないことが示されていた。

対 象:米国のカトリック聖職者が対象のReligious Orders Studyおよびシカゴの高齢者が対象のRush Memory and Aging Projectの2試験の参加者計2,899例。試験開始時平均年齢78歳、平均教育年数16.3年(0~30年)、平均追跡期間8年。

方 法:全例が年1回の認知機能検査を受け、死後の脳剖検(10種の神経変性、脳血管マーカーを検出)に同意した。試験期間中に696例が認知症を発症、752例が死亡、405例が認知症を発症後に死亡した。

結 果:全体では、教育レベルが高い参加者ほど試験開始時の思考・記憶能力が高かったが、教育レベルと認知機能低下速度との関連は認められなかった。認知症発症群では、認知症診断の平均1.8年前から認知機能低下が進行していたものの、教育レベルと認知機能低下の開始年齢および進行速度に関連は認められなかった。

また、教育レベルが高い参加者ほど脳全体で検出できる梗塞発症率が低かったものの、その他の神経病理学的マーカーと教育レベルとの関連は認められなかった。

考 察:その後の思考・記憶能力が関与する活動(例えば外国語の習得や社会活動・高い知的能力を要する仕事・人生の目的を持つことなど)も認知予備能の維持に重要な役割を果たしている可能性があり、それらは以前の学校教育より関連が強いのかもしれないとの見解を示している。
「認知機能低下が同じ速度で進行するならば、やはり進行開始時点の認知予備能は高い方がよい」としている。

危険因子と認知症発現の因子については、明らかな結論をみるものとそうでないものが玉石混淆ではあるが、少しずつ今後も解明されていくと考えています。

池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/
池田脳神経外科フェイスブック https://www.facebook.com/ikedansc
頭痛日記 https://blogs.yahoo.co.jp/neuroikeda
認知症日記 https://blogs.yahoo.co.jp/dementiaikeda

[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]
ランキングに参加しています。クリックをお願いいたします。

本日はタイトルのような話しです。
大変興味深い研究論文と思います。

認知機能が低下した祖父や、物忘れのひどい大叔父がいる人は、自身もアルツハイマー病を発症するリスクが高まる可能性がある。特に、近い親戚に患者がいる場合はその可能性が高い―そんな研究結果が発表されました。

タイトル:Relative risk for Alzheimer disease based on complete family history.
    (家族歴からみるアルツハイマー病の相対的危険性)

雑 誌:Neurology. 2019 Apr 09;92(15);e1745-e1753.

著 者:Dr. Lisa Cannon-Albright((Uta Univ.USA)

対 象:1800年代のユタ州の住民データベースを用いて、27万人以上の住民の死亡証明書をデータベースの情報と関連づけ、そのうち約4,500人が死亡時にアルツハイマー病を有していた。

結 果:
/董Ψ残錣箸い辰紳莪貪拔畤銅圓縫▲襯張魯ぅ沺蕊卒擬圓1人以上いると、自身もこの疾患を発症するリスクが1.7倍。第一度近親者に患者が2人以上いる場合には、このリスクは約4倍。4人以上の場合は14倍。

第一度近親者と第二度近親者のいずれにもアルツハイマー病患者がいると、自身の発症リスクは2倍。また、第一度近親者に1人、第二度近親者に2人の罹患者がいる場合は、発症リスクは21倍にまで上昇。

B莪貪拔畤銅圓縫▲襯張魯ぅ沺蕊卒擬圓いなくても、第二度近親者に2人以上の患者がいると発症リスクは1.25倍。曽祖父母や大叔父、大叔母といった第三度近親者に2人以上の患者がいる場合でも、このリスクは1.17倍。また、遠い親戚に患者が多ければ多いほど、自身のリスクも高まっていた。

結 論:アルツハイマー病の家族歴は、アルツハイマー病のリスクを正確に予測するための有力な情報。

考 察:家族歴は変えられないが、アルツハイマー病には修正可能なリスク因子がある。発症リスクを抑えるためには、知的な刺激による脳の活性化や定期的な運動、健康的な食事を心掛けるよう勧めている。

興味深い論文です。

家族歴の重要性は今まで十分指摘されていました。ベースにはApoEε4蛋白といったものを持っている家系的な遺伝子的な要因があることも推測できます。

今後、前方視的な研究が望まれます。

池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/
池田脳神経外科フェイスブック https://www.facebook.com/ikedansc
頭痛日記 https://blogs.yahoo.co.jp/neuroikeda
認知症日記 https://blogs.yahoo.co.jp/dementiaikeda

イメージ 1

[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]
ランキングに参加しています。クリックをお願いいたします。

本日はこの話題です。

タイトル通りなんですが、高気圧酸素療法自身になじみがないのかもしれません。

高気圧酸素療法とは、大気圧よりも高い気圧(2~2.5気圧)環境下に患者を収容し、高濃度酸素を投与することで、組織の低酸素状態の改善を図る治療法です。血液中の溶解酸素の増加と酸素による抗菌作用、加圧によって、様々な疾患に対し効果の発揮が期待できます。

写真のような透明な装置の中に90分前後入って治療する方法になります。

今回は1例のケースレポートになります。

雑 誌:Med Gas Res(2019:8;181-184)

著 者:Dr.Paul G.( Louisiana State University,USA)

5年前から認知機能の低下を呈し、過去8カ月でアルツハイマー病が急速に進行した58歳の女性患者。
FDG-PETでは、アルツハイマー型の全体的かつ典型的な代謝障害を示していた。

方法:週5回の高気圧酸素療法を66日間、計40回実施。治療気圧は1.15気圧で1回の総治療時間は50分間だった。

経過:
21回実施後、患者は活力と活動レベルの上昇、気分や日常生活動作の遂行能力、クロスワードパズルの成績の改善を示した。

40回実施後は、記憶力や集中力、睡眠、会話、食欲、コンピューター使用能力の向上、調子の良い日/悪い日比の改善、不安の解消、見当識障害の改善、フラストレーションの減少が認められた。振戦、深い膝屈伸、継ぎ足歩行、運動速度も改善した。

検査:治療後1カ月の反復PET検査では、6.5~38%の脳代謝の増加を示した。

経過:高気圧酸素療法実施2カ月後、アルツハイマー病の症状が再発したため、その後20カ月にわたって薬物療法と継続的な56回の高気圧酸素療法を併用し、機能の症状レベルを維持した。

高気圧酸素療法は微小循環に働きかけることによって、アルツハイマー病の病理学的プロセスであるミトコンドリアの機能障害および生合成、アミロイド負荷、タウ蛋白リン酸化の抑制、酸化ストレスの制御、炎症の軽減に影響を与えることが期待される。

結論:高気圧酸素療法によるアルツハイマー病の症状改善とFDG-PETで実証された脳代謝の増加を同時に示した最初の報告例。Harch氏らは「高気圧酸素療法と薬物療法の併用により、アルツハイマー病を長期的に治療できる可能性が示された」と結論している。

1例報告ではありますが、高気圧酸素療法は比較的日本中に多くある医療機械であり、方法・適応も含めてよく知られています。今までの治療に加えるだけで一定の効果を示すわけですから、大変興味深いです。

高気圧酸素療法施行群と未施行群でのcontrol-studyが望まれます。

池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/
池田脳神経外科フェイスブック https://www.facebook.com/ikedansc
頭痛日記 https://blogs.yahoo.co.jp/neuroikeda
認知症日記 https://blogs.yahoo.co.jp/dementiaikeda

[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]
ランキングに参加しています。クリックをお願いいたします。

今回も最新の研究報告からです。

高齢化が進み、心房細動という不整脈の患者さんが増えています。

心房細動は長嶋監督・オシム監督・小渕首相などが心房細動から心原性脳塞栓症をおこし注目をあびた疾患です。

もちろん心房細動があれば脳梗塞をおこしやすい。そのため脳血管性認知症をおこしやすいと考えるのは非常にわかりやすいのですが、最近はアルツハイマー型認知症もおこしやすいという話になっています。

雑 誌:Journal of Internal Medicine(2019/3/2)

著 者:Dr.Lina Ryden(スウェーデン・ヨーテボリ大学)

目 的:2000~01年、70歳の被験者561例について、諸検査を75歳時と79歳時にfollow-upした。
70歳時の心房細動は、ECG、代理報告、National Patient Register(NPR)により確認した。
70歳・75歳・79歳の脳卒中は、自己報告、代理報告、NPRにより確認した。
ベースライン時およびフォローアップ時の認知症は、神経精神学的検査、代理報告、NPRに基づき、DSM-III-Rで診断した。

結 果:
/緩失抛阿鰺する参加者は、12年間のフォローアップ期間に認知症リスクがほぼ3倍に増加した。

∪別で層別した場合に男性のみ(HR:4.6、性別と心房細動の交互作用:p=0.047)
APOE対立遺伝子ε4の非保有者のみ(HR:4.2、APOEと心房細動の交互作用:p=0.128)で認められた。

心房細動による認知症の人口寄与危険度は13%であった。

結 論:無症候性脳血管リスクの指標としての心房細動の関連をさらに調査する必要がある」とし、また「心房細動の患者は認知症状を検査されるべき」と提言している

昨今の研究会などでも心房細動が心臓・脳梗塞だけでなく、認知症の危険因子であるという報告が大変ふせています。
この前向き研究でも同様の報告です。

高齢になれば心房細動自身はおこしやすい疾患です。
はやめの抗凝固療法の導入だけでなく、定期的な認知機能checkが必要な洋です。

池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/
池田脳神経外科フェイスブック https://www.facebook.com/ikedansc
頭痛日記 https://blogs.yahoo.co.jp/neuroikeda
認知症日記 https://blogs.yahoo.co.jp/dementiaikeda

[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]
ランキングに参加しています。クリックをお願いいたします。

今回は最新の研究報告からです。

認知症予防には地中海式食事がいいという話しがありますが、あまり大きな話題にはならないですし、大きなエビデンスにはなっていません。ここで今回は認知症の発症に中年期の食事がいかに関係しているかという論文になります。

雑 誌:JAMA2019 03 12:321(10):957-968

著 者:Dr. Tasnime N. Akbaraly(モンペリエ大学/France)

まとめ:中年期の食事内容とその後の認知症発症リスクに、関連は認められない。

対 象: 1991~93年時点で認知症の認められなかった8,225例を対象に調査を行った。
被験者は、平均年齢50.2歳(SD 6.1)、男性が5,686例(69.1%)だった。

方 法:11項目の食事内容を3期にわたり評価し、認知症発症者を追跡した。

1985~88年にコホート試験を開始し、1991~93年、1997~99年、2002~04年に食事摂取内容に関する評価を行い、2017年3月まで追跡して認知症発症との関連を調べた。

結 果:11項目の食事内容では認知症発症との関連性みられず、中央値24.8年(四分位範囲:24.2~25.1)の追跡期間中に認知症を発症したのは344例だった。

1991~93年、1997~99年、2002~04年の11項目の食事内容と認知症発症率には、いずれも関連は認められなかった。

ただし、食事の質が悪い群では、食事の質が普通~良い群に比較して認知症の発症率が有意差はないものの高い傾向になった。

まあ、常識的に落ち着くところに落ち着いています。
全く関係ないことはないけど有意差がでるような話しではないということのようです。

でも気をつけた方がいいですね。

池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/
池田脳神経外科フェイスブック https://www.facebook.com/ikedansc
頭痛日記 https://blogs.yahoo.co.jp/neuroikeda
認知症日記 https://blogs.yahoo.co.jp/dementiaikeda

↑このページのトップヘ