カテゴリ: 認知症をとりまく環境

レカネ小原先生
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2月12日の西日本新聞の記事からです。
九州大学病院の「物忘れ外来」の責任者でもある小原知之先生の記事です。

2月12日の段階では九州大学病院でもレカネマブ(レケンビ)の投与は行われておらず、その前段階であり、主にアミロイドPET検査などがやっとスタートしたというところのようです。

ここから患者さんの選択をしていき、まずは安全・確実に投与できる患者さんから治療を3月から始めていくということのようです。

福岡大学病院もほぼ同じような状況であり、私が紹介した患者さんも2月下旬に「アミロイドPET」の検査を行い、基準を満たすのであれば、3月にはいってから治療が始まるという話です。

メーカーからは現時点では、九州での投与は1例のみということで、なかなか前に進んでいないのが現状です。多くはアミロイドPETの運用ができていないからではないかと思われます。

小原先生の記事にも書かれているが、レカネマブ(レケンビ)の最適使用推進ガイドライン上、やはり大学病院もしくは、それに準ずる施設以外での投与は難しいと思われます。

基幹病院ですら、そのハードルは高く、おいそれと始めるのは難しいのが現状です。
人的にも余裕がないといけませんし、2週間に1回、1時間の点滴はなかなか厳しい条件です。

大学病院だけでは対応も難しいので、半年経過あした患者さんが、更に治療を希望する場合には、我々のような施設が対応しないといけないものと思われます。

そういった点からも「患者さん自身の意思が何よりも重要」という小原先生の意見は非常に大事な点である。

うちの施設でも軽度のアルツハイマー型認知症と思われた70歳台前半の女性は、夫が強く希望しているものの、受け入れが(心を含めて)できておらず、お断りになられた。至極当然の結果だと思う。

レカネマブ(レケンビ)の治療を始めるケースは、患者さん自身がYes/Noを言えるレベルであるから、周りの意見以上に本人の気持ちが非常に大切と考えます。

本人の意見がうまく醸成されるための環境づくりや、我々も少し時間をかけて説明する責務があると思います。

まだまだ問題は山積しています。


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20230925-OYT1I50164-1

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本日はレケンビ発売その後についてです。

 

12/20に発売されました。

その後、外来が1週間経過しました。

驚くほどの反響です。

 

大きく2つのタイプに分かれます。

   新聞の見出し程度の知識の人

   じっくりと読み込んで、しっかりとした知識を持っている人

です。

 

   のタイプは気軽に、今回から新しく出た薬も一緒に処方してくださいとお願いされたりします。点滴であることはもちろん、投薬できる患者さんの規定があったり、金額も相当なことも知らない患者さんのご家族です。このタイプには、一般的なお話をして理解していただいております。もちろん、そこで適応があるような患者さんには然るべき施設への紹介の話もさせていただきます。

   のタイプには、当然ながらどれくらいの知識なのかを確認したうえで、当院ではできないこと、まだまだ検査があって、そのうえで治療するかどうかを判断されることを説明し、紹介する方向で話を勧めています。

 

若干、レケンビについての質問で日々の診療をストレスに感じていて、一般の人向けに製薬会社はレケンビについての資材を作って欲しいなあと思うこの頃です。

 

一方、私がいる福岡で既に「レケンビ」が投与されたという話はまだ聞いておりません。恐らく投与基準から考えますと、大学病院もしくは基幹病院での投与となりますので、そのような病院では新規薬剤の使用については「薬剤委員会」などで新規薬剤を入れていただくための手続きを経て、やっと院内で使える運びになります。ですので、薬剤発売日から使用できることはまずありえません。

 

また、この薬剤を使用する患者さんの条件が細かく決まっていますので、その問題をクリアーすべく、現在模索中であると思われます。

 

しかし、患者さんは待ったなしです。昨日2人の患者さから「レケンビ」を用したいとの申し出があり、紹介状を作成しました。早くこの治療が円滑に進むべく診療体制の確立が望まれるところです。


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20231214西日本新聞

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12
13日ついに「レカネマブ(商品名:レケンビ)」が1220日に発売されることが決まりました。
標準体型の患者さんで2週間に1回点滴治療を1年間継続すると仮定すると、
年間298万円の医療費がかかります。
一般的な収入の世帯では、高額療養費制度の恩恵も得て自己負担額が14万4千円になります。
アメリカの金額から考えると比較的安く決まって良かったなという印象です。

 

現時点でわかっていることを最適使用推進ガイドラインから抜粋すると

患者さんの条件

1)   年齢は5090歳の早期アルツハイマー型認知症の患者

2)   Mini Mental State ExaminationMMSE)スコアが2230

3)   アミロイドPET 検査もしくは腰椎穿刺にてアミロイド陽性を示唆する所見が確認される

4)   頭部MRI検査で下記の項目がないことを確認できる

5 カ所以上の脳微小出血(最大径10 mm 以下)

最大径10 mm 超の脳出血

脳表ヘモジデリン沈着症

血管原性脳浮腫

脳挫傷、脳軟化、動脈瘤、血管奇形又は感染病巣

多発性ラクナ梗塞、大血管支配領域の脳卒中、重度の小血管疾患又は白質疾患

占拠性病変又は脳腫瘍(ただし、髄膜腫又はくも膜嚢胞と診断される病変で、最大径が1 cm 未満であれば除外する必要はない)

 

使用する医療機関の条件

下記学会の専門医が常勤で複数名配置されている医療機関。

日本神経学会

日本老年医学会

日本精神神経学会

日本脳神経外科学会

 

MRI 検査(1.5 Tesla 以上)が実施可能な医療機関であり、かつ、ARIA(副作用)
 
が認められた場合に、画像所見や症状の有無から、本剤の投与継続、中断又は中止

を判断し、かつ施設内で必要な対応ができる体制が整っていること。

 

となっています。細かい条件は更にたくさんあるのですが、ざっくりとした条件を提示しました。現段階で当院は医師が私一人しかいませんので、レカネマブ(レケンビ)の治療はできないということになります。

 

日本だけでなく世界に注目される薬剤ですが、落ち着くところに落ち着いた印象ではありますが、使用するのにはなかなかハードルが高いようです。

ある報告では、日本での投与患者数の予測値は2023年度内に400人、2024年度には7000人、ピークとなる2031年度には32000人となっているようですので、認知症全体が700万人で、アルツハイマー型が2/3として470万人ですので、1%にも満たない患者さんが使われるということになります。

 

また、この報道がでると思いますので、注視していきたいと思っています。


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20231026認知症講演会
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本日は講演会のご案内? 報告です。

例年秋になりますと市からの依頼で認知症講演会を開いてもらっています。
コロナ禍前ですと、多い時は140人くらいの聴衆に来ていただいていたのですが、
コロナ禍になってからも講演会は毎年させていただいていましたが、人数を30人
と限定されています。

本年度は年末にアルツハイマー病の新しい薬「レケンビ」などもあって、久しぶりに
盛り上がっていますし、その後「レケンビ」と同じような機序の薬剤の発売も予定
されていますので、激熱状況です。

ただし、今回の講演会はスタンダードでかつ全般的なお話をしないといけませんので
バランスよく「症状・原因・診断・治療」などを話さないといけません。
もちろん、新しい薬についても触れはしますが、来ていただく人のためにもわかりやすく
お届けする予定です。

先日の敬老の日の調査でも100歳越える人が全国で9万人ですので、人生100年時代
です。その中では、認知症に対する注目度はあがる一方ですし、「物忘れ」を主訴に
来院される患者さんの割合も増加しています。

少しでも馴染み深くなっていただき、近親者でそのような症状が疑われる場合には
速やかに医療機関受診に繋がるような話になればいいなあと思っています。


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7月8日の全国紙に一斉に大きく扱われた記事についてのお話です。
R5/1月にアメリカでは迅速承認を出し、既に「レカネマブ」の販売がなされています。

車の免許で言えば「仮免」状態だったのですが、半年経過して本承認に繋がったとのことです。日本でも厚労省へ申請されていますので、早ければ秋にも承認される可能性があります。

このブログでも何度も書きましたが
①症状悪化が27%下げることができる。
②使用できる患者さんは、境界型かごく早期のアルツハイマー病のみ
③アメリカでは1年間の医療費が約380万人
④副作用として微小出血~脳浮腫が1-2割の患者におこる
⑤抗血小板剤服用中の患者さんは服用できない
などの問題点もありますし、治療にいくまではたくさんの検査(高額な医療費)や定期的なfollow up体制やMRI検査などもありますので、決して平たんな道ばかりではありません。

実際に処方される患者さんは早期アルツハイマー型認知症の1-2%とメーカーは推測しています。

ざっくり700万人の認知症患者の2/3がアルツハイマー型として466万人。
早期が10%とすると、46.6万人x0.01ですので4660人程度と試算できます。

アメリカでは今年1月から来年3月までに1万人使うと予測されていますので、高齢化率・医療保険制度などの違いがあるので比較できにくいですが、恐らく数千人が日本で使うものと思われます。

まだまだ日本では治療する医療機関だけでなく、検査体制もまだ整っていないですし、遺伝子検査や「レカネマブ」を使えない患者さんへの対応なども含めて課題は山積しているのではないかと考えます。


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