カテゴリ: 認知症をとりまく環境

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本日は10月11日(日)の朝日新聞の記事からです。

介護保険利用者の増加(高齢者の増加も相まって)によって介護保険料は右肩上がりです。

2000年度全国平均2911円だったものが、2018年には5869円。つまり2倍になっています。

これが2025年には7200円まで上昇することが予想されています。

介護保険料が上昇するにつれて、滞納者が増加し、2018年には65歳以上の高齢者1.9万人が滞納しているというデータが公表されました。

恐らく、この数はどんどん増えることが予想されます。
金額があがるので、仕方ないわけではありますが、抜本的な対策を講じる必要があります。

例えば40歳以上から介護保険料を負担し始めるわけですが、これを例えば30歳くらいにまで引き下げると言う方法があります。税を広く浅く負担していただくという発想です。

もう一つは、医療保険もそうなんですが、最高負担額は3割ふたんですが、これを4割にまで増やすという方法です。それなりの収入のあるひとには、たくさん負担していただくということです。

このような方法をしても、もちろん滞納者はでるわけですが、それは払って頂けるような対応策を考えたり、公的な援助を行ったりということになります。

団塊の世代が一気に高齢者になる前に対応が必須と思われます。

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 本日は新聞記事からです。

 昨年4月16日、NHK「クローズアップ現代」という番組で「親のお金が下ろせない?!」という特集があり、当院でも患者さんからの問い合わせが殺到しました。

 もちろん、その番組前からそのような問題があったのは事実で、それほど重要視していませんでしたが、NHK番組以降、銀行側も少し意識が高くなっていろいろな問題が出てきたのは事実です。

 多くのご家族は、良好な親子関係の元で、子供さん達が親の預金を切り崩して介護費用にあてているわけですが、中には不当な利用や、甥姪などが故意に厳禁を引き出して、大変な問題になった事例もあり、慌てて後見人の申請などに至ったケースもあります。

 しかし、銀行側のお金の引き出しに対して厳格なルール作成は自らの首を絞めかねない事態であり、患者本人・ご家族・銀行側。誰をとってもマイナスになることはあっても、プラスになることは多くありません。

 金融庁を中心に簡単なルール作りがもとめられますし、元気な間にこれからの「お金の問題」(きれば車の運転・不治の病での延命治療なども含めて)については、一定の年齢になれば少し考えてみるような風習が日本全体で行われていけばいいのにと思う次第です。

 そのためにも、金融庁が上手なルール作りをして、先導していただき、そこから高齢化してきて問題になるいくつかの点について、元気なうちに判断できるうちに考えようという機運が高まるといいなあと思う次第です。

親の“おカネ”が使えない!?

今回も認知症についての研究レポートです。

九州大学から長い年月をかけたレポートですので、大変意味のある興味深いレポートです。

 

雑誌:Neurology. 2020 Aug 04;95(5);e508-e518.

 

発表者:吉田 大悟(九州大学)

 

目的:日本のコミュニティ在住の高齢者における認知症の累積発症率とそのサブタイプを推定する検討を行った。

方法:コミュニティ在住で60歳以上の日本人高齢者1,193例を対象に、17年間前方視的にフォローアップを行った。認知症の累積発症率は?

結果:
①フォローアップ期間中に認知症を発症した高齢者は、350例であった(アルツハイマー病[AD]:191例、血管性認知症[VaD]:117例)。
②認知症の生涯リスクは、55%であった(95CI4960%)。
③女性の認知症の生涯リスクは、男性と比較し、約1.5倍であった。
 女性:65%(95CI5772%) 男性:41%(95CI3349%)
④男女別のADおよびVaDの生涯リスクは、以下のとおりであった。
 女性のAD生涯リスク:42%(95CI3550%) 女性のVaD生涯リスク:16%(95CI1221%)
 男性のAD生涯リスク:20%(95CI734%)男性のVaD生涯リスク:18%(95CI1323%)

考察:著者らは「日本人高齢者の認知症の生涯リスクは、50%以上であり、非常に高かった。現在の日本のコミュニティにおいて、認知症に起因する生涯負担は、計り知れないことが示唆された」としている。

この結果についても年度・年度によって変わってくると思われます。

もう数年前から先進国では、認知症の発生率が低下してきています。個々にはいろんな要素が関わってきますが、日本からも今後認知症の発生率が減少していくreportがでてくるのではないかと考えています。

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本日は高齢者の車の運転についてです。

認知症の患者さんに車の運転を止めていただくことは大きな問題です。
殆どの家族は、車の運転をやめていただきたいと話してくれますが、一部の家族で「認知症が進行するので、車の運転は続けさせたい。」と話される家族がいるのも事実です。

あなたの父親もしくは母親の「認知症の進行が進まないように周りに迷惑をかけてもいいものでしょうか?」とお尋ねしますが、概ね「それとこれは別問題」だと言い放たれています。

ここまで認知症高齢者の運転が問題視されているなか、少数のご家族でこのような意見があるのも事実なんです。

さて、そんな中高齢になって自動車の運転をやめた人は、運転を続けた人に比べて
「要介護となる可能性が約2倍高くなる」
筑波大などのチームがそんな調査結果を公表した。

高齢ドライバーによる事故が問題になる一方、「移動の手段を失うと、活動量が減って健康度が下がる」といわれており、指摘が裏付けられた形です。

 愛知県に住む65歳以上の男女約2800人に協力してもらった。
2006~07年時点で要介護の認定を受けておらず、運転をしている人に、2010年8月の時点で運転を続けているか改めて尋ね、認知機能を含めた健康状態を調べた。

 さらに2016年11月まで追跡し、運転継続の有無と要介護認定との関係を分析した。

 身体能力や認知機能が落ちれば、運転も難しくなりやすい。こうした事例が結果に混じらないよう、10年の調査後すぐに要介護となった人は除き、健康状態の違いが影響しないよう統計学的に調整して分析した。

 その結果、2010年時点で運転をやめていた人は、運転を続けた人に比べて要介護となるリスクが2・09倍あった。
 このうち、運転はやめても移動に電車やバスなどの公共交通機関や自転車を利用していた人では、同様のリスクは1・69倍にとどまっていた。一方、運転をやめて移動には家族による送迎などを利用していた人だと2・16倍だった。

 この結果はbiasが混じっているので、数字をそのまま信じることはできません。
意味合いについては納得できていますが、今後似たようなreportをお待ちしています。

 また、だからといって認知症の診断・治療をしている人が車の運転を容認することはできません。それこそ別の次元の問題と考えています。

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本日は認知症のスクリーニングテストとして有名な長谷川式の長谷川和夫先生の本についてです。

KADOKAWAから定価1300円で絶賛発売中です。帯にも書いてありますが、既に5万部以上売れているとのことで、出版不況の現況ではHit作と言えます。

歯齦顆粒性認知症になられたことを告白されていらっしゃる長谷川先生ですが、既にNHK特集でも取り上げられていますので、介護業界の人でも今の先生のありようというのは容易に理解できる状況と思われます。

ですので、先生の今までの著述や口頭で述べられたこと、既に研究会・講演会などの資料などを元に読売新聞編集員であります猪熊律子さんとの共著という形と理解しています。

内容の多くは、介護に関わる皆様がお読みになっていただけるレベルですし、ご家族が認知症になられ介護されている人などでも大変興味深く読める内容になっています。

認知症がまだ痴呆と呼ばれる頃、何も共通の尺度=ものさしがなかった頃から、長谷川式を作った歴史的な経緯などは大変興味深く読ませていただいた。

誰も前を歩く人がいないところを、一人で開拓された偉大な人であることを改めて知りました。
勉強になります。

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