カテゴリ: 学会・研究会

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今回は認知症の講演会に参加してきた話しです。

東京医大の老年期内科学教授の羽生春夫先生の講演です。

タイトル「老年医学から見た認知症の対応」というお話でした。

大事なポイントは認知症という病気を、高齢者という特有な病態の上に成り立っているということを忘れてはいけないという内容の話になります。

まず高齢者では「多病状態」です。

つまり、生活習慣病や三大疾病でもある「がん」・「心臓病」・「脳卒中」を合併していることが多く、加えて「認知症」を併発していることが多いという側面です。

自然とたくさんの内服薬(=ポリファーマシー)を服用中であり、それぞれの疾患も管理していきながらの治療であるという目線を医者側は持ち合わせないと行けないわけです。

うちの患者さんでもそうなんですが、ついつい薬の数が増えていきます。
1種類薬を増やすのであれば、1種類減らしてという気持ちが大事になるのですが、なかなかそうはいきません。

全ての薬を自分のところで処方しているのであれば、それも可能ですが複数の医療機関で見ている患者さんであれば余計に難しいものになります。

ある意味「高齢患者さんのジレンマ」とも言えます。

次に「認知症の予防」です。

たくさんのデータをだして見せていただきました。
‥鎤病に気をつけるです。
羽生教授は「糖尿病性認知症」という疾患概念を独自に提唱されていますので、特に糖尿病についての思いが強くあるようです。

⊆,妨鋲箸惑知機能を低下させる。
79例の正常者が孤独状態を分類して経過をみると、明らかに孤独状態が多いほど認知機能が低下するという論文を紹介し、地域での見守り活動や、デイサービスの利用の重要性を指摘されています。

生きがいをみつける。
これも海外の論文からの紹介でしたが、生きがいが高いか低いかによって認知機能に差がでてくるという論文でした。当然ながら生きがいが高い方が認知症になりにくいということです。

ぅ汽襯灰撻縫◆Ε侫譽ぅ襪砲覆蕕覆い茲Δ法
今話題のサルコペニア・フレイルです。
サルコペニア=筋肉減少状態 フレイル=脆弱状態とでも訳した方がいいでしょうか?!

同じような意味ですが、そのような状態は認知症をひきおこしやすいわけです。

ですから前回も肥満は中年期は認知症の危険因子でしたが、高齢期はむしろ肥満の方が認知症になりにくい=肥満パラドックスの話しをしましたが、ここも同様の意見になると言うことです。

認知症の予防にはたくさんの因子があり、紹介しきれないわけですが、何れも特別な内容ではないので、これからも外来で勧めていきたいです。

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先日、認知症講演会でお話をさせていただきました。

昨今、各地でまた認知症の研究会や講演会盛りだくさんです。

私の話は「脳外科開業医の認知症診療~限られた時間と医療資源の中で~」というタイトルに致しました。

というのも、著明な先生方の「物忘れ外来」が3ヶ月待ち、4ヶ月待ちだという話しを聞いたり、逆に「物忘れ外来」は週2日で1日2人までで、1枠が1時間とかいう話しも普通に聞きます。

受診までに3~4ヶ月待つのは大変だな~と思う反面、1時間も受診に時間をとっていただくなって正直「スゴイ」「恵まれている」と思います。

正直、開業医である私たちは、そのように「お待たせ」することもできなければ、「時間をかける」こともできません。

いつでもすぐ見て、なるべく短時間に費用もかけずに効率的にみていく必要性があります。

そんな中、いかに効率よくみていくかという話しになりました。

まず「正常」「境界型」「認知症」の区別は難しいこと

「アルツハイマー型」「脳血管型」「レビー型」など認知症の病型判断も非常に難しく一筋縄ではいかないことなどを実例を交えて話しをさせていただきました。

私の後に、大阪赤十字病院の神経内科主任部長の高橋牧郎先生からも「純粋なアルツハイマー」「純粋なレビー」なんというのはほとんどなく、混合型ばかりである。「アルツハイマー」だったけど、徐々にレビーがでてきて今や「レビー」が主体という話しは普通にあることですよねと心強いコメントもいただきました。

会場には認知症をかなり見ている先生からあまり見ていない先生までバラエティーに富む状況でしたが、その後も質問を頂いたりして大変有意義な会になりました。

認知症診断は奥が深い。TVやマスコミが言うほど簡単ではないと更に痛感した次第です。


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本日はまさにタイトルどおりの話しです。

現在、日本には90歳以上の人口が約200万人います。
その中で自力で生活できる人が半分の100万人。
逆に援助が必要な人も100万人です。

こんな状況が90歳代なんです。
平均寿命は男が80歳。女性が87歳。
平均寿命を越えた人たちが認知症になりました?!
果たして治療の必要性がありますか?と尋ねられたら、なかなかサクッと答えられる人はいないでしょう~!

東京大学名誉教授の松下先生は「90歳すぎた認知症は基本的に治療の必要性はないでしょう~」と答えられます。
それは「病気」ではなく、「正常加齢」と判断するからだそうです。

確かに「認知症」は「年齢にそぐわない加齢現象」だと私も一般の人相手の講演会では話しています。
ですから「90歳すぎれば認知症なんて当たり前じゃない~?!」と言われれば確かにそうだと思います。

しかし、昨今90歳overの認知症の初診患者さんは増えています。
86歳で南米最高峰の「アコンカグア」の登頂をめざす元気な人がいますし、亡くなりましたが100歳を越えて世界中を飛び回る「スーパー老人」の活躍が目につくからなのかもしれません。

安倍内閣は「人生100年時代」に見合った生活支援をなんて~?! そんな話しもあります。

しかし、実際問題として一緒に住む90歳代の両親・祖父母が「認知症」になったら、やはり大変だと思われます。

私は総論として「90歳過ぎた認知症は治療の必要性はない」に産生しますが、各論として「90歳以上の認知症患者さんを一律に治療しない」とはしていません。

例えば「大人しくて、BPSDのほとんどない90歳以上の認知症」については経過観察でいいと思います。

逆に「陽性のBPSDのほとんどが目立つ90歳以上の認知症患者さん」は必ず治療すべきではないかと考えます。

皆さんはどうでしょうか?
こんな常識は時代が変わると非常識になるのが「医学の常」ですが、現時点では概ね先生方の理解を得たものではないかと考えます。


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本日はこの話題です。
昨年は新潟で、今年は京都で認知症ケア学会が行われます。
場所は週末、都道府県女子駅伝で中継地点にもなっていました京都国際会議場です。

京都国際会議場は思い出の場所です。
初めて学会に参加したのも京都国際会議場での脳神経外科学会総会でした。
それ以来、久しぶりの京都国際会議場になります。

抄録締め切りが1月11日でしたので、なんとか最終日に抄録を提出しました。

今回が認知症ケア学会での発表がtotal5回目になります。
いままで目線を少しずつ変えて発表させていただいたのですが、それをトータルな形での発表にすることとしました。

最初の2回は口演にしたのですが、ポスター発表のほうが貼りっぱなしですので自由に見に来ていただく人が多くいらっしゃいます。また、伝えられる量も明らかに多いので、ポスター発表にしました。

気軽な形でお尋ねしていただけますし、資料を準備して自由に持って帰っていただくスタイルにしていると、新潟では初日に準備した50枚があっという間になくなったという経験をしました。

ですので、十分見ていただけるように配慮し、持ち帰っていただける資料も十分準備して行こうと思っています。

認知症学会・認知症予防学会なども参加していますが、認知症ケアア学会は圧倒的にparamedicalの人の参加が多く、患者さん目線で大変勉強になります。

やはり医師は目線の位置が高くて、患者さんの本質が理解できているかといわれれば疑問符です。
もちろん、目線の位置が高いからいいこともありますし、客観的な判断ができることも多くありますが、やはり介護者目線の考え方を学べるのは、この「認知症ケア学会」だと考えています。

研修医の頃から、指導医の先生から「学会は見に行く、聞きに行く場所ではない。発表する場所だ!」と言われ続けていましたので、聞きに行くなら・見に行くなら「なにがしかの発表」をと思って参加している次第です。

学会までは4ヶ月ありますので、発表内容を十分吟味していきたいと思っております。


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本日は認知症研究会の話題です。

週末を利用して東京に認知症研究会に出席してきました。

今回のテーマは~認知症の人にやさしい地域づくりを目差して~でした。

その中で話題の中心となったのは「認知症疾患医療センター」についてです。

認知症疾患医療センターとは、認知症に関する詳しい診断、行動・心理症状や身体の合併症への対応、専門医療相談などを行う医療機関です。

2015年に策定された新オレンジプランでは、認知症の情報拠点となる認知症疾患医療センターを、2018年度末までに全国に500ヵ所設置することを目標としていました。

認知症疾患医療センターには大きく3つあります。
基幹型・地域型・連携型です。

ざっくり言えば
基幹型=大学病院もしくは地域の大病院=認知症の鑑別診断をしっかりやっていただく。

地域型=二次医療圏に少なくとも1ヶ所。精神科病院が主に担い、BPSDへの対応のための入院設備を備える。

連携型=診療所を想定していて、認知症診療の窓口としてハードルを低く、フットワークを軽くする場所と考えます。

以下に厚労省的な考えを示します。
● 基幹型(15ヶ所)
 主に総合病院。検査機器・入院設備などが整っており、BPSDや合併症に対応できる施設です。
● 地域型 (335ヶ所)
 単科精神科病院など。基幹型と同等の人員を確保しており、CT以外の検査機器や入院体制は、他の医療機関との連携体制で対応します。
● 連携型(25ヶ所)
 クリニックなど。独自の検査や入院設備がない代わりに、急性期への対応ができる他の医療機関との連携体制を確保します。

【】内の数字は平成28年末までに登録された数字で有り、最近400ヶ所を越えたと報告されていますが、今年度末までに500ヶ所を越えるのは、なかなか難しいものと思われます。

三階建ての医療制度自身は非常に理想的ではあります。
それぞれで一医療機関ずつ問題点を掲げていただきましたが、何れもが置かれた一でのtop runnerですので、それ以外での施設での問題点を寧ろ伺いたかった感じがします。

まだまだ問題山積の認知症医療です。

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