カテゴリ: 介護保険

 介護保険にはサービス担当者会議というものがあります。

 私も1ヶ月10数枚の介護保険主治医意見書を作成しております。
 その患者さんの中には、サービス担当者会議に出席できないことを想定して、文書で意見を求められるケースもあります。

 実際に私もサービス担当者会議に出席したことは一度もありません。

 昨日の研究会で本間 昭先生が話されていたのですが、サービス担当者会議に5.7%しか医師は出席していないとのことです。おそらく文章提出も出席とされているとカウントされていますので、そんなものかもしれません。妙に納得した次第です。

 また本間 昭先生は医師側が敷居が高くて、医療と介護の速やかな連携がないことを指摘されています。まさにその通りで、私はケアマネ会を一緒にやらせていただいていますので比較的に敷居は低いつもりですが、周りからはそうおもわれていないかもしれないと思いました。

 認知症患者の治療における薬物療法の役割はわずかです。
 治療には、医師、看護師や薬剤師だけでなく、介護保険、家族の介護、役所など多職種におけるチームアプローチが必要な疾患でありますので、敷居を下げてチームでの対応が必要になります。

 手段こそ違えど目標は同じなわけですから、互いに努力していくことが大切です。

 介護保険の話②です。

 私も今は開業医ですが、以前勤務医であったころには介護保険の申請なんて非常にうっとおしかったものです。

 なぜなら介護保険の主治医意見書は書くvolumeも大変多く、きちんと普段から書くつもりでないと何回も患者さんに来てもらわないといけないからです。

 開業医になると慣れもあるのですが、患者さんとの距離が近い分比較的簡単になってきました。

 介護保険の主治医意見書は初回ですと5000円の収入があります。2回目以降ですと4000円の収入です。
 値段が高いか安いかという議論は別として、ちゃんとした対価が支払われています。

 私の今までの拙い経験ですと、勤務医の先生は内容が寂しいことが多く、開業医の先生のほうが内容がしっかりしている印象があります。

 もちろん先生にもよるわけですが、介護保険の申請については主治医意見書の占める割合は非常に大きいので、やはり介護度に不満があれば区分変更の申請をする前に、その点もゆっくりかかりつけの先生と相談されるのも大事な点かもしれません。

最近、うちの診療所に介護保険の相談にみえる患者さんが増えています。

 初めて介護保険を申請される患者さんや、今までよそで介護保険を申請されていて主治医の変更で申請しなおされる患者さんといろいろです。

 介護保険をとるためには
 ①脳卒中や骨折などで体の不自由がある
 ②認知症では精神機能が低下している
 ③その他
 のケースがあります。
 
 新規で申請するケースはいいのであるが、主治医変更で申請し直すケースの多くは認知症があって、かかりつけ医に介護保険を申請しているのだが、思った介護度が得られていないケースのようです。

 ある先生の報告では5割以上のかかりつけ医が、認知症にかかわりたくないとの報告があります。

 介護保険の主事意見書でも認知症についてはほとんど記載がなく、聞き取り調査の報告では認知症についての記載がなされているものが多いのも事実です。

 ということは主治医は認知症があるという認識をまったくしていないということです。

 主治医意見書のもつ意味合いは非常に大きいのに、そこに患者さんの状態が反映されないために介護度が低くなるという悪循環になるのだと思われます。

 認知症の程度や状況を報告書に載せるのは慣れが必要で、コツさえつかめば簡単に載せることができるので、患者さんのご家族にもその点を理解した上で、かかりつけ医の先生に依頼することが必要です。

 また十分な介護度が得られない場合には、区分変更の申請をお願いするのも大切なことです。

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