カテゴリ: ケアマネ会

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今回は当院で行っているケアマネ会のお話です。

7月24日(火)に第43回のケアマネ会を行いました。
今回は私の中学・高校の同級生で、現在久留米大学認知症疾患センターのセンター長である小路純央准教授に「もの忘れ予防検診~久留米モデル~」というテーマで話しをしてもらいました。

彼は平成29年3月12日の改正道路交通法が施行され、福岡県内で約250人の人に診断書提出を求められたわけですが、その中の50人以上彼が診断書を記載下と言うことで、福岡県で最も 認知症高齢者の自動車運転問題に対応した医師ということになります。

まずは認知症の病態。
三大認知症(アルツハイマー型・レビー小体型・脳血管型)のまとめをしていただいて、薬物療法の特性、BPSDへの対応といったほぼ全体的な認知症の話しをしてもらって、現在久留米市での取り組みについて話してもらいました。

久留米市は市町村合併もあって、人口30万人の街に久留米大学という大学があって、ハード・ソフトともに十分な街です。
認知症は内科・外科・整形外科・精神科・脳外科など多岐な分野に関わっていて、この予防検診プログラムを立ち上げるのに決して順風満帆なわけではなかった話しをしてもらいました。

また医師だけではうまくいかず、ケアマネを中心とした介護や行政も絡んだ問題でもありますし、大きく言えば街作りの根幹に関わる問題でもあります。

いかに多職種を巻き込んで、この健診事業を行っていったか、現時点の課題など盛りだくさんに話してもらいました。

質問もたくさんありました。

福岡市はなかなか積極的ではないという質問です。
おそらく
①高齢化がさほど進まず、緊迫感がない。
②福岡市全体では150万人を越えるので、統一歩調がとりにくい
③区レベルまで行政が位置を下げると少しやりやすい
④市内に大学病院が2つあって、どちらも譲らない

などの患者・患者家族目線でみるとつまらないもんだいもあるのだと思います。

私個人の意見ではこのような問題はtopがいかに決断し、そしてそれを受けてタクトを振れる人がいるかどうかだと思われます。つまり行政topと医療topのタッグによるtop downが成功のカギだと考えています。

そういう意味では久留米市は行政もまた、久留米大学の医学部長で精神科の内村教授の手腕が大きいものだと思います。

topの手腕のみせどころなんです。


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本日は先日行いました第42回のケアマネ会についてです。

今回のテーマは「高齢者のてんかん」についてです。

てんかんと言いますと何となく「子供の病気」というイメージがおこりがちです。
確かに患者さんの数は2峰性であり、小児と高齢者に大きな山があります。

なぜ高齢者に多いかと言いますと
①脳の病気(脳卒中・脳腫瘍・外傷)が増えるから

②認知症が増えるから

こういうところが考えられます。

また認知症のような症状を呈する「てんかん発作」もあります。

「複雑部分発作」と言われる発作です。これは通常、意識を完全になくすことは無く、目は開眼し、一点を凝視したり、下腹部からこみ上げるような不快感や、口をくちゃくちゃさせるような動作を伴います。

そのような発作が数分続き、その後ぼんやりして、しばらく時間が経過し、また普通の状況に戻ると言われています。

ただし、大事な点はそのおかしな行動をしている時間の記憶は全く残らないという点です。ここが他の似たような疾患と異なる点ではないかと考えます。

ずっとおかしな状況が続く場合には、病院を受診させたりしますが、また元の状況に戻りますので、なかなか医療機関に受診しないケースが多いのが特徴です。

うちの患者さんでも、一度は精査目的にで入院したり、救急車で大きな病院へ搬送されたりを繰り返しましたが、結局原因は不明とされていました。

そこで、私自身はご家族に要すがおかしいときに「口をペチャペチャさせたりしないですか?」と尋ねたら、確かにいつもそんな感じで「口をペチャペチャ」させますと答えてくれて、「複雑部分発作」という診断にたどり着き、更には抗てんかん薬の服用で、その後そのような発作が全くおこらなくなった患者さんがいらっしゃいます。

ちょっとした気づきが、スムースな答えの導きに直結することになる典型的な例だと思います。

質問も多くあり、「このようなケースはてんかんでしょうか?」と意識消失を繰り返す患者さんの質問があったり、年に3-4回複雑部分発作がおこるが、抗てんかん薬を処方すると眠気が強くなってALLが低下するけれど、どうしたらいいのかというような実に意義深い質問が続きました。

てんかんは人口比1%の病気です。
日本には100万人の患者さんがいると推計されています。

それそれの事業者や施設に必ず複数のてんかん患者さんがいらっしゃるものと思われます。

ですからこそ、今回の「高齢者のてんかん」は意味があった会になったのではないかと考えます。



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先日、第41回のケアマネ会を行いました。
今回のテーマは「若年性認知症」というテーマでした。

このテーマは以前からリクエストがあって、いつかやらないといつかやらないとで延び延びになっていたテーマです。

当院では現在300人ちかい認知症患者さんがいらっしゃいます。
その中で若年性認知症(現時点で65歳以下の認知症患者さん)は2人しかいません。

現在見ている患者さんの中で、発症時が65歳以下で6人で、約2%しかいらっしゃいません。
割合として言えば決して多くありません。

以前は脳血管性認知症がmainで、アルツハアイマー型は少ないという報告でしたが、現在は当院もそうなんですが若年性の大半はアルツハイマー病の患者さんになります。

今回のケアマネ会のために、随分時間をかけて調べたつもりですが、論文は少ないのですがあります。
しかし、教科書的な本は全くなく、あるのは若年性認知症の介護体験談の本が多いのです。

で、そこで参考になったのは若年性認知症患者さん関連のホームページやブログでした。
そこにたくさんの情報・ヒントがありました。

改めて私も今までの自県例を探したり、まとめたりしました。

結論として
①若年性認知症は診断までに時間がかかる。心療内科受診された場合には多くは「うつ病」という診断を受けるケースが多く、一端治療が開始されると、次の医療機関受診が遅くなる。

②若年性認知症ではMRIによる画像診断で終わること無く、SPECTといった血流検査まで行うべきである。形態学的な検査では非典型例が多く、誤診されやすい。

③診断がついたらできるだけ告知し、残りの時間を有効的に利用しよう。

④その際は介護と連携し、介護サービスの利用を図る。

⑤このような点に詳しい医師もしくは制度利用に詳しい行政書士・司法書士などに相談し、使える制度を利用し、なるべく経済的負担が減るように努力することが大事です。

私も含めて、若年性認知症についての経験数が少ない医師が圧倒的です。
幸いにも若年性認知症の患者さんを介護する人たちは若く、たくさん情報発信をされています。

そのような人たちのホームページやブログにも大変貴重な情報がちりばめられています。それも参考にされるといいのではないかと考えます。

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先週から今週にかけて多職種連携の会が2つありました。

1つは市役所で行われた認知症キャラバン・メイトの会です。
ここで私は「前頭側頭葉変性症」について1時間ほど話をさせていただきました。
行動障害でおこる従来から言われているピック病と、言語障害で発症するタイプ(意味性認知症・進行性非流暢性失語症)があることを、実例をあげて紹介させていただきました。

その後、各グループにわかれて、当地での認知症サポーターをどうしたら増やせるか?というテーマで話し合いました。4つのグループでターゲット・方法を決めてディスカッションし、更に発表するという形式です。それぞれ職種が異なると発想が変わり、私には全く思いもつかないような意見がでてビックリでした。

皆さん元気で明るくて純粋で活気があり、大変楽しい時間になりました。

地域・職域・学校などをターゲットにして認知症サポーターを増やし、更に地域で安心して長く暮らせるシステム作りを考える上で大変勉強になりました。


今週は今週で困難な事例2例を聞いて、各グループで同じようなディスカッションする連携の会が行われました。
1例は当院のケアプランセンターの事例で、もう1例が隣の整形外科のケアプランセンターの事例でした。

担当ケアマネを始まる前から随分緊張していましたが無事に終えることができ、安心と自信をつかんだようにおもいました。たくさんの職種が参加することで、名前は知ってたけど、、、。一度お会いしたが・・・・。などのようなケースでは話が大変スムースにできて、実りのある会になっていきます。

毎回思うことは医療介護の連携会では医師の出席が大変少なく残念です。
出席する先生は毎回出席。欠席される先生は毎回欠席です。

やはり医師が主導していかないと、このような会自身はうまくいきません。
診療でお忙しくお疲れだとは思いますが、数多くの先生に出席して欲しいと願うばかりです。

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H23年から始めたケアマネ会も今回が29回目でした。
今回テーマに選んだのが「認知症の非薬物療法」です。
私が話しても良かったのですが、ケアマネ会は通常ケアマネや看護師だけでなく、製薬会社の医療情報担当者(MR)も参加してくれています。その中で「アリセプト」を販売しているエーザイの医療情報担当者(MR)に依頼して話していただきました。
 
我々医療側はどうしても薬物療法が中心になるわけですが、やはり治せない以上は当然「非薬物療法」という選択肢ももっておいていかないといけません。認知症治療薬のトップメーカーであるエーザイは、さすがね自分たちの実益にならない分野でもある程度の知識を持っていて、すぐに対応していただいた。
 
非薬物療法はたくさんあるのですが、有名なところからいきますと「回想法」・「バリデーション」・「タクティールケア」・「モンテッソーリ法」・「化粧療法」・「ペット療法」・「園芸療法」・「アロマ療法」など枚挙にいとまが無いようです。
 
エビデンスとしては、中長期的に認知機能を改善させることはないようですが、陽性のBPSDを示す患者さんたちにとっては抗精神病薬を使う治療方法より、効果は不確かかもしれませんが副作用も無いので、試してもいい方法だと思われます。
 
各論は成書に譲りますが、いずれの方法も手間・暇をかけて患者さんに向き合うことが非常に大事であること、どうにかして患者さんの内面を穏やかにさせるかということにつきるようです。
向き合うと書けば非常に簡単ですが、なかなか難しい。例えばタクティールケアで患者さんの背中や掌をゆっくり時間かけて話しかけながら、ゆっくりとマッサージしていく、いつの間にか心の緊張・体の緊張が溶けて穏やかな表情になっていく。その後も穏やかに過ごせるというテクニックです。
 
上記の療法では、それぞれでHPをもっていて技術伝達に熱心に取り組んでいるところもありますし、また各地各地で講習会を開かれているものもあるようです。
 
興味を持たれる方は検索してみてください。

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