カテゴリ: 認知症の薬

レカネ小原先生
[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[
https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html 
にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]
ランキングに参加しています。クリックをお願いいたします。

2月12日の西日本新聞の記事からです。
九州大学病院の「物忘れ外来」の責任者でもある小原知之先生の記事です。

2月12日の段階では九州大学病院でもレカネマブ(レケンビ)の投与は行われておらず、その前段階であり、主にアミロイドPET検査などがやっとスタートしたというところのようです。

ここから患者さんの選択をしていき、まずは安全・確実に投与できる患者さんから治療を3月から始めていくということのようです。

福岡大学病院もほぼ同じような状況であり、私が紹介した患者さんも2月下旬に「アミロイドPET」の検査を行い、基準を満たすのであれば、3月にはいってから治療が始まるという話です。

メーカーからは現時点では、九州での投与は1例のみということで、なかなか前に進んでいないのが現状です。多くはアミロイドPETの運用ができていないからではないかと思われます。

小原先生の記事にも書かれているが、レカネマブ(レケンビ)の最適使用推進ガイドライン上、やはり大学病院もしくは、それに準ずる施設以外での投与は難しいと思われます。

基幹病院ですら、そのハードルは高く、おいそれと始めるのは難しいのが現状です。
人的にも余裕がないといけませんし、2週間に1回、1時間の点滴はなかなか厳しい条件です。

大学病院だけでは対応も難しいので、半年経過あした患者さんが、更に治療を希望する場合には、我々のような施設が対応しないといけないものと思われます。

そういった点からも「患者さん自身の意思が何よりも重要」という小原先生の意見は非常に大事な点である。

うちの施設でも軽度のアルツハイマー型認知症と思われた70歳台前半の女性は、夫が強く希望しているものの、受け入れが(心を含めて)できておらず、お断りになられた。至極当然の結果だと思う。

レカネマブ(レケンビ)の治療を始めるケースは、患者さん自身がYes/Noを言えるレベルであるから、周りの意見以上に本人の気持ちが非常に大切と考えます。

本人の意見がうまく醸成されるための環境づくりや、我々も少し時間をかけて説明する責務があると思います。

まだまだ問題は山積しています。


池田脳神経外科 092-589-0150
池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/
池田脳神経外科フェイスブック https://www.facebook.com/ikedansc
あやケアプランセンター https://www.ayamedicalcareplan.com/

IMG_9563
[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[
https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html 
にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]
ランキングに参加しています。クリックをお願いいたします。


1月30日コロナ禍で4年間中止していました「ケアマネ会」をついに再開しました。

前回はR2年1月に大牟田の大谷るみ子さんにお話をしていただいて以来ですので、本当に久しぶりの「ケアマネ会」でした。

第52回のケアマネ会のテーマは「レカネマブ(レケンビ)」についてです。

参加者は40人を越えるほどの大盛況で、立ち見していただいた参加者もいらっしゃって恐縮しております。

「レカネマブ(レケンビ)」が発売されて約1ヶ月経ちます。既に「レカネマブ(レケンビ)」希望の患者さんを大学病院へ紹介したりしていて、現場は少しずつ動いています。

また、一方で新聞での情報程度しかわからないケアマネさん達にとって「レカネマブ(レケンビ)」についての話は非常にタイムリーだったのかもしれません。

 ① 投与方法・管理方法

 ② 投与される患者さんの条件(診断名・アミロイドPET・脳脊髄液)

 ③ 投与する医療機関の条件

 ④ 投与メリット(効果)

 ⑤ 副作用(ARIAと言われる副作用)

 ⑥ 金額(薬剤費だけで1年間で約300万円)

 ⑦ 今はわからないが長期的な展望

などについてお話ししました。現時点でわかっていないことが多く、また内服と違って難しい問題も多く抱えていて十分伝わったかどうかはわかりませんが、今お話しできることは話せたのではないかと思っています。

認知症診療の現場は非常に難しいのですが、その現場がさらに難しくなっていて、1人1人の診療に時間がかかる(特に初回)ようになってきています。

まだ全国の多くの地域で「レカネマブ(レケンビ)」の治療が始まっていないところが多くあると聞いています。ここ福岡も現時点では例外ではありません。少し「レカネマブ(レケンビ)」の治療が始まりだすと、状況は変わっていくのではないかと思っております。

次回は4月23日(火)「新型コロナ感染症と認知症」というテーマで行う予定にしています。


池田脳神経外科 092-589-0150
池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/
池田脳神経外科フェイスブック https://www.facebook.com/ikedansc
あやケアプランセンター https://www.ayamedicalcareplan.com/

20230925-OYT1I50164-1

[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[
https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html 
にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]
ランキングに参加しています。クリックをお願いいたします。

 

本日はレケンビ発売その後についてです。

 

12/20に発売されました。

その後、外来が1週間経過しました。

驚くほどの反響です。

 

大きく2つのタイプに分かれます。

   新聞の見出し程度の知識の人

   じっくりと読み込んで、しっかりとした知識を持っている人

です。

 

   のタイプは気軽に、今回から新しく出た薬も一緒に処方してくださいとお願いされたりします。点滴であることはもちろん、投薬できる患者さんの規定があったり、金額も相当なことも知らない患者さんのご家族です。このタイプには、一般的なお話をして理解していただいております。もちろん、そこで適応があるような患者さんには然るべき施設への紹介の話もさせていただきます。

   のタイプには、当然ながらどれくらいの知識なのかを確認したうえで、当院ではできないこと、まだまだ検査があって、そのうえで治療するかどうかを判断されることを説明し、紹介する方向で話を勧めています。

 

若干、レケンビについての質問で日々の診療をストレスに感じていて、一般の人向けに製薬会社はレケンビについての資材を作って欲しいなあと思うこの頃です。

 

一方、私がいる福岡で既に「レケンビ」が投与されたという話はまだ聞いておりません。恐らく投与基準から考えますと、大学病院もしくは基幹病院での投与となりますので、そのような病院では新規薬剤の使用については「薬剤委員会」などで新規薬剤を入れていただくための手続きを経て、やっと院内で使える運びになります。ですので、薬剤発売日から使用できることはまずありえません。

 

また、この薬剤を使用する患者さんの条件が細かく決まっていますので、その問題をクリアーすべく、現在模索中であると思われます。

 

しかし、患者さんは待ったなしです。昨日2人の患者さから「レケンビ」を用したいとの申し出があり、紹介状を作成しました。早くこの治療が円滑に進むべく診療体制の確立が望まれるところです。


池田脳神経外科 092-589-0150
池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/
池田脳神経外科フェイスブック https://www.facebook.com/ikedansc
頭痛日記  http://headacheikeda.livedoor.blog/
認知症日記 http://dementiaikeda.livedoor.blog/
You Tube
(池田脳神経外科公式チャンネル) https://studio.youtube.com/.../UCvzun1zl.../videos/upload


ARIA

[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[
https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]
ランキングに参加しています。クリックをお願いいたします。

1026日に認知症の市民公開講座を春日市役所からの依頼で開きました。多くの春日市民にお越しいただき、1時間の話を聞いていただきました。

中でも皆さんの関心が最も高かったのが、
今年12月にも発売が予定されているアルツハイマー型認知症の薬・商品名レケンビ(レカネマブ)についてです。

以前から新聞では、アメリカで認可された際も話題になり、日本での認可が決まって更に盛り上がっている状況で、我々使う側の医師へも講習会などが行われ始めました。

米国の8月の論文では、「新たに開発されたアルツハイマー病の治療選択肢に対して広く関心が持たれているのは当然のことだ。アルツハイマー病は深刻な疾患であるが、これまで20年以上にわたって新規に承認されたアルツハイマー病治療薬はなかったからだ」と書いていて、まさに待望の薬である。

 まず、皆さんに知って欲しいことは、レケンビ(レカネマブ)という薬は使える患者さんが決まっていることです。現在、日本で発売されている認知症薬は4種類(5剤形)ありますが、使うことについては認知症の程度・条件などについては細やかな規則がないということです。

 レケンビ(レカネマブ)を使用する際には、腰椎穿刺アミロイドPETといった検査を行い、基準を満たす必要があります。現在の日本の医療ではここまでの検査を行い、診断を確定することは極めて稀です。更に認知機能についても境界型(MCIもしくは軽度認知症という基準が設けられています。

 治験においては、脳卒中や心疾患、がんの既往歴、脳画像検査で確認された小さな脳出血や脳損傷などがあるケースは除外されました。そうしますと米国のメイヨークリニックでは治験対象者237人のうち、治療適格患者は819/237人)にまで絞られたとされています

 おそらく、他にも条件が設定されるため、高齢のアルツハイマー病患者の大半がこれらの治療薬の使用の対象外とされてしまう可能性があると考えられています。

 また上の頭部MRI検査で示しますようにアミロイド関連画像異常(ARIAと呼ばれる脳の浮腫性変化(ARIA–E出血性変化(ARIA–Hといった副作用が生じる可能性があります。

 治験ではこの副作用により死亡された症例もあります。これは、この薬剤が急速かつ長期に脳からアミロイド
βを除去する作用が強いため、血管壁に沈着したアミロイドβも除去し、血管の破綻を生じARIA–EARIA–Hといった副作用をおこすと言われています。

 米国では
1年間の医療費が約390万円と高額です。日本でも同様の設定になることが予想されます。高額療養費制度があるため、患者の自己負担は、70歳以上の一般所得層(年収156万~約370万円)の場合、年14万4000円が上限となりますが、これも大きな問題です

まだまだ十分情報がでてきているわけではありません。この情報はR5年10月末の段階でわかっていることになります。また、わかり次第お伝えしたいと思います。

池田脳神経外科 092-589-0150
池田脳神経外科ホームページ http://www.ikedansc.jp/
池田脳神経外科フェイスブック https://www.facebook.com/ikedansc
頭痛日記  http://headacheikeda.livedoor.blog/
認知症日記 http://dementiaikeda.livedoor.blog/
You Tube(池田脳神経外科公式チャンネル) https://studio.youtube.com/.../UCvzun1zl.../videos/upload

EPSON003
[[img(https://care.blogmura.com/ninchisyou/img/ninchisyou88_31.gif)]]
[
https://care.blogmura.com/ninchisyou/ranking.html にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ(文字をクリック)]

7月8日の全国紙に一斉に大きく扱われた記事についてのお話です。
R5/1月にアメリカでは迅速承認を出し、既に「レカネマブ」の販売がなされています。

車の免許で言えば「仮免」状態だったのですが、半年経過して本承認に繋がったとのことです。日本でも厚労省へ申請されていますので、早ければ秋にも承認される可能性があります。

このブログでも何度も書きましたが
①症状悪化が27%下げることができる。
②使用できる患者さんは、境界型かごく早期のアルツハイマー病のみ
③アメリカでは1年間の医療費が約380万人
④副作用として微小出血~脳浮腫が1-2割の患者におこる
⑤抗血小板剤服用中の患者さんは服用できない
などの問題点もありますし、治療にいくまではたくさんの検査(高額な医療費)や定期的なfollow up体制やMRI検査などもありますので、決して平たんな道ばかりではありません。

実際に処方される患者さんは早期アルツハイマー型認知症の1-2%とメーカーは推測しています。

ざっくり700万人の認知症患者の2/3がアルツハイマー型として466万人。
早期が10%とすると、46.6万人x0.01ですので4660人程度と試算できます。

アメリカでは今年1月から来年3月までに1万人使うと予測されていますので、高齢化率・医療保険制度などの違いがあるので比較できにくいですが、恐らく数千人が日本で使うものと思われます。

まだまだ日本では治療する医療機関だけでなく、検査体制もまだ整っていないですし、遺伝子検査や「レカネマブ」を使えない患者さんへの対応なども含めて課題は山積しているのではないかと考えます。


↑このページのトップヘ