カテゴリ: 認知症とサプリメント

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本日はタイトルどおりの話です。

昨今、患者さんのご家族からの問い合わせで多いのがこの手の薬?についてです。

私が渉猟し得た限りは下記の3剤で、もうすぐアリセプトで有名なエーザイも発売する予定にしているようです。
「キオグッド」ロート製薬  1ヶ月分 約5400円
「アレデル」クラシエ    1ヶ月分 約4000円
「ワスノン」小林製薬    1ヶ月分 約4700円

「キオグッド」と「アレデル」は漢方薬らしい散剤、「ワスノン」は錠剤のようです。

この3剤は何れもがオンジ(遠志)という名前の漢方薬です。

最近はもともとある漢方薬に違う名前をつけて売り出すことがよくあります。五苓散(ごれいさん)というむくみを取る漢方薬に、「アルピタン」という名称にして二日酔いの頭痛に効果がある薬として売り出されたりしています。

オンジという漢方薬は基本的には
①痰を切りやすくする役目であったり、
②痰を鎮める作用であったり、
③精神的に落ち着くような効能・効果です。

またこのオンジという成分が入っているものに「人参養栄湯」という有名な漢方薬がありますが、こちらの効能・効果は病後の体力低下・倦怠疲労感・食欲不振・寝汗・手足の冷え・貧血などの効能があるようです。

認知症に効果があるとはされておらず、物忘れに効くとはなっていますが、果たして医療者として勧めるかというと答えは?です。

認知症患者さんに投与することに関しては全くダメだと考えています。

最近、厚生労働省からもこのような薬を内服することを継続するあまり医療機関への受診が遅くなることがないように各メーカーへの指導があったように聞いております。

購入される患者さんも、日数の少ない分で試されることをお勧めします。
大容量ので購入した方が一日薬価が安くはなりますが、続けて内服できる保障は全くありません。試される際には、小分けの分でお試しいただくように話しています。


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今日は話題の?プラズマローゲンの話です。
 
今年の2月の日曜日PM630からのTV番組夢の扉でこのプラズマローゲンの話がでていたので、見られた方もいらっしゃると思います。また、直接見なくてもネットで話題にあがっていたので、そこから記事を読まれた方も多くいらっしゃると思います。
 
 九大の名誉教授である藤野先生が、軽度あるいは中度以上のアルツハイマー病患者40名にプラズマローゲン配合食品を摂取してもらう臨床試験の結果を報告したものです。
 6カ月間摂取してもらった結果、プラズマローゲン摂取群はプラセボ群に比べ、統計的に有意な認知機能の改善が確認されたという。
 認知症診断のスクリーニングに広く用いられる知能テストのミニメンタルステート(MMSE)検査の結果でも、プラセボ群やプラズマローゲンを10㍉㌘にした高用量群では変化が見られなかったが、1㍉㌘の低用量群に統計的な有意差が認められた。さらに介護者客観的評価(注意力、実行機能の比較)では、プラセボ群に悪化が見られた一方、摂取群では変化が無い、もしくは悪化が少なかった。ほかに、摂取群の血中プラズマローゲン量が有意に上昇していたという報告がなされました。
 
 その後、当院でも数人その話をされた方もいらっしゃいますし、通信販売でお買い求めになられている患者さんもおいでです。私には共同研究やりませんか? ひいてはいついつ研究の説明会をしますのでおいでになりませんか?という案内状と夢の扉のDVDが送られてきました。
 
 実際は福大でも、この研究は実際問題としてstartしているようです
私は一開業医ですし、あまり話の筋として納得いってない部分も多く、更に大学病院の教授が認めたという話題が先行しすぎていて、気乗りがせず結局参加しておりません。
 
 また時間をおいてさらなる研究成果がだされると思いますので、をれを楽しみにしたいと思います。

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今年の4月から従来の特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品に続き、機能性表示食品といって、健康への働き(機能性)を表示できる保健機能食品としては、三つ目の制度が始まりました。
 
 この制度は安倍政権の成長戦略の一環で導入されています。
最大の特徴はトクホのような国の審査がなく、企業の責任で機能性を表示できることです。
トクホの審査は数年かかるが、機能性表示は届け出が受理されればよく、栄養機能食品のような成分の限定もないために、今までに比べて比較的楽に申請できます。
 
 企業はガイドラインに従い、機能性の表示内容とその科学的根拠、安全性の証明などの製品情報を届け出る必要があります。消費者庁はそれをウェブサイトで公開し、国が審査をしない代わりに、情報を社会の目にさらすというのがこの制度の肝となっています。
 
 私たちは医師になるまでも、なってからもこのようなデータを見る機会が多くあり、あらゆる論文にもこれは本当かな?という目でみるために理屈にあわないところをすぐ見つけようとする習性があります。
 しかし、一般の人はそうでもない人が多く、何々に書いてあるとか?有名な誰々がいいと言っている?などの意見で左右されることが多くあります。
 
 実際、外来でも栄養機能食品や機能性表示食品などを見つけて薬のように副作用が無くて、効果はまずまず期待できるので、やってみてと言われて大金はたいて購入されている患者さんのご家族を見受けます。
 
 金銭的に全くもって問題ないような家庭であれば、こちらから積極的にお声かけいたしません。
経済的にも困っていて介護サービスの負担金が1割から2割に増えただけで、デイサービスの回数を減らしたり、デイサービスでの昼食を断って、お弁当を持たせるような家庭でも、このような食品に熱をあげている場合には、失礼ながら「あまり意味が無いです。」と答えさせて頂いております。
 
 言うのもはばかる問題ですが、あまり熱をいれすぎても何か解決できると言うことは決してありません。
 
 その点も含めてご理解いただきたいものです。

 ビタミンEはアンチエイジングとして名をはせたビタミンです。
 このビタミンEが認知症に効果があるのかを検討している論文です。
 
 雑 誌:Cochrane database of systematic reviews 2012年11月14日
 
 著 者:英国・サセックス大学 Dr. Nicolas Farina
 
 内 容:アルツハイマー型認知症(AD)および軽度認知障害(MCI)進行予防としてのビタミンEについて、メリットがあるという確実なエビデンスはみつからなかった。結果を受けて著者は、「今後の試験では、ADにおけるビタミンEの評価をα‐トコフェロールに限定しないで行うべきかもしれない」と提言している。本研究は、ビタミンEにはフリーラジカルを消失する抗酸化作用があり、一方でフリーラジカルがADなど病理学的な認知障害プロセスに寄与するとのエビデンスがあることを踏まえて行われた。

 詳細は割愛しますが、ビタミンだけで認知症予防や進行阻止は難しいという結論は非常に納得いく論文です。
 昨今のサプリメントブームにも、え~っつという話がおおいですね。
 コンドロイチンは変形性関節症に効果ないという論文もあり、アゲインストの風が吹きまくっていますが、当たり前といえば当たり前な結果です。

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 今日は最新の研究報告です。
 
 毎日のように外来では、新聞にこういう記事があって買ってみようと思いますが、いかがですか?という相談をうけます。いわゆるサプリメントの類です。
 
 具来的な名称は書きませんが、基本的なスタンスとしては
 ①あなたがやりたいのであればやってみていいです。
 ②それは薬ではなく、食べ物ですから、、、。
 ③ただし高いものはおやめなさい。
 ④認知症に対する効果を期待してはいけない。
 
 と答えるようにしています。理由はサプリメントで改善したという報告を受けたことは全くないからです。
 そして必ず、私が最後に言う言葉は「私の母親だったら絶対やりません。」と答えています。
 
 さて前置きが長くなりましたが、イチョウ葉エキスに対するアルツハイマー病の予防効果に関する検討です。
 
 雑 誌:Lancet Neurology
 
 発表者:Vellas B et al.(フランス)
 
 内 容:記憶障害を呈する70歳以上の高齢者2584例に対して、イチョウ葉エキスを内服させた群とプラセボを内服させた群の2群間を5年間経過をfollowした。その結果としてアルツハイマー病発症については有意差がなかったと結論しています。また有害事象の発生率にも差はなく、出血合併症や心血管合併症についても有意差はなかった。
 
 結 論:イチョウ葉エキスのアルツハイマー病予防効果はないが、副作用もないという結果です。
 今までもこのような報告は多数見られますが、イチョウ葉エキスが予防すると報告したものを見たことがありません。患者さんにも私はそのように話しています。

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