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 今日は7/16の朝日新聞の記事からです。
 
 同居家族が主に介護を担う世帯のうち、介護される人だけでなく、する人も65歳以上という世帯の割合が5割を超えた。厚生労働省が15日発表した2013年の国民生活基礎調査でわかった。団塊の世代が高齢者となり、「老老介護」の広がりが深刻な問題となりそうだ。
 
 この記事も興味深く読ませていただいた。
いろんな側面がある。まず①高齢者が増えた。 ②核家族化の問題である。
私の両親。家内の両親。いずれも70歳代で自称老夫婦の2人暮らしである。幸い両方の親も元気で、認知症もなく、ADLも自立し車も運転できている。
 
 さて何れかが介護必要になったらどうするか?!正直私は仕事柄、適切な治療・環境作りなどではそれなりのことがしてあげられるが、一緒に暮らせるかと言えば正直無理だと思う。そうなると、何れかの連れ合いに介護をしていただかないといけない状態です。となると老老介護である。
 
 確かに介護保険サービスがあり、多様な介護サービスや訪問診療・訪問歯科診療もあり、それなりに利用でき、随分と以前よりは助かると思う。私は、アドバイスはできるが実際介護をしたことがない。頭でわかって理解できて、やることはできると思うが、やったことがないのである。
 
 考えても考えてもなかなか前に進まない。
また明日、患者さんと話をしながら考えてみます。

 今月末、当地の先生方を中心に在宅療法研究会を立ち上がることになりました。
(こう書くと私が中心みたいになりますが、私もその中の一人であって中心ではありません。)
 
 その初めての勉強会が今月末に近くの病院であります。
私が前座として「抗認知症薬の使い方」の話をしまして、その後に在宅治療をメインにやっている先生にお話をしていただくプログラムです。
 
 実はケアマネ会でも今まで一番良かったテーマは「抗認知症薬の使い方」で、これからして欲しいテーマの1位が「抗認知症薬の使い方」でした。
何か複雑な気持ちですが、、、。まあいいでしょう。
 ケアマネさんにとっても、また認知症診療を中心にしていない先生方にとっても、かなり興味のあるテーマであることは間違いないわけです。このテーマでは何度も話していますし、日々の臨床で感じることをまとめて発表する予定です。
 
 通常のケアマネ会の準備でも結構大変なのですが、このような会で話をさせていただくことも大変光栄なことですので、一生懸命に頑張りたいと思います。

認知症高齢者の自動車運転は、大変大きな問題です。
毎日のように新聞沙汰になっている高齢者の自動車事故の多くが認知症がらみという報告もあります。
 
当院では、初診時の問診で免許の有無と運転の有無は必ず聞いています。
その中で、よくこのような認知機能で運転しているなあという患者さんに出会います。
たとえば一人暮らしで、まわりに運転をとめる人がいない場合には仕方ないと思います。
ご家族と一緒に暮らしているケースで、ご家族も認知症だろうなくらいの認識はあってもやめさせていないケースもあります。
 
私は外来では、運転できるレベルにない人には運転は許可できない旨の話を必ずします。
そのことを言われて、腹をたてて二度と来なくなった人もいます。
多くは家族の人も止めるように話しているものの、断固として拒否されるケースもあります。
認知症が進行するので、車の運転はさせているという話を真面目な顔で話されるご家族もいてビックリします。
 
その際に必ず引き合いにだすのが、「患者さんが事故をおこされた場合には、被害者への保険金がでない場合が多くあります。」そのこともご存じで、車の運転をさせていますか?と尋ねています。
毎月自動車保険を納入していても、車を運転できる認知機能を持ち合わせていないという判断がなされた場合保険会社は支払いを拒否します。
基本的には飲酒運転で交通事故をおこして、被害者がでた場合にはお金をだしません。それと同じ扱いになるからです。
 
このような話は私は直接、家族や本人にダイレクトに強く話して、事の重大さについてわかっていただくように話しますが、それも「俺は事故はしないので大丈夫!」と言い切られる人もいます。やはり正常な判断能力が欠如しているから仕方ないのかもしれませんが、根気強く話すようにしています。

 ケアマネ会が終わり、先週(2/6)レミニールという抗認知症薬を発売している会社に出向いて、認知症の話をさせていただきました。通常我々が聞く研究会とは違って、ざっくばらんに認知症治療の現状や問題点について話をしてまいりました。
 
 我々が講演会などで聞く大学の教授先生が話される話は、大変それはそれでいいわけですが、やはり「きれいごと」が多いのです。もちろん、人を指導される立場ででの話ですから、聞いている人が迷わないように話をしないといけない責務があるから仕方ないのです。
 
 その点我々などのような場末の開業医は「きれいごと」が話せません。
 ケアマネージャーさんやご家族にとっては、患者さんは医者の前で「きれいごと」しか話さないと言われるかもしれません。実際の自宅での様子やday serviceでの様子では実はこんなことがおこっているんですよと言う話がたくさんあるに違いないからです。でも教授先生よりは明らかにリアルな話ができます。
 
 認知症は治らない病気です。治らない病気をいかに治療していくかという話です。
 日本は大家族時代はなく、核家族の時代で介護する人が十分いる家庭などありません。しかし、介護保険サービスという世間に冠たる立派なシステムがあります。
 
 医療だけでは何も解決しない。介護(ケア)がいかに大事かという話をさせていただきました。
ご家族やケアマネージャーや介護士はいかに大変かいかに困っているか?!
医者や患者さん以外にもう少しspotがあたってもいいのではないかと思います。
 
 でもそれをしていかなきゃいけないのです。 あ~あ書きながら「難しいね」と呟かずにはいられません。
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 今日は当市の市報の載せられたお話から認知症について考えてみたいと思います。
 先日届いた市報で、当市では市長が各地区の公民館に直接出向いて地域住民と意見交換する出前トーク「市長と語る」というものがございます。その出前トークの平成25年度報告が載せられていました。
 
 当市は35地区に区分されていて、そのすべての地区でこの取り組みが行われました。
 テーマの上位ですが
 ①介護保険制度について ②ごみの現状 ②悪質商法の被害に遭わないために ④自転車マナー
 というのが上位の4つでした。
 
 ここからも認知症関連として①②と2つもランクインしているのです。これほど地域住民としては自分たちだけではどうしようもない、また地域のシステムとしても考えて欲しい出来事であることがよくわかります。
 
 私は残念ながらスケジュールの関係上、「市長と語る出前トーク」には参加できませんでしたが、今年は是非出席して市長や市役所の職員の返事ではなく、地域住民の実情を生の声で聞きたいと思ったものでした。
 
 当市は高齢化率が決して高い地域ではありませんが、高齢化の波はゆっくりときているのは事実でもあり、個人としてできることは今まで通りですが、更に目を大きく開いて考えていきたいと思っています。

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