タグ:脳・神経・脊髄

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本日はタイトルのような話しです。
大変興味深い研究論文と思います。

認知機能が低下した祖父や、物忘れのひどい大叔父がいる人は、自身もアルツハイマー病を発症するリスクが高まる可能性がある。特に、近い親戚に患者がいる場合はその可能性が高い―そんな研究結果が発表されました。

タイトル:Relative risk for Alzheimer disease based on complete family history.
    (家族歴からみるアルツハイマー病の相対的危険性)

雑 誌:Neurology. 2019 Apr 09;92(15);e1745-e1753.

著 者:Dr. Lisa Cannon-Albright((Uta Univ.USA)

対 象:1800年代のユタ州の住民データベースを用いて、27万人以上の住民の死亡証明書をデータベースの情報と関連づけ、そのうち約4,500人が死亡時にアルツハイマー病を有していた。

結 果:
/董Ψ残錣箸い辰紳莪貪拔畤銅圓縫▲襯張魯ぅ沺蕊卒擬圓1人以上いると、自身もこの疾患を発症するリスクが1.7倍。第一度近親者に患者が2人以上いる場合には、このリスクは約4倍。4人以上の場合は14倍。

第一度近親者と第二度近親者のいずれにもアルツハイマー病患者がいると、自身の発症リスクは2倍。また、第一度近親者に1人、第二度近親者に2人の罹患者がいる場合は、発症リスクは21倍にまで上昇。

B莪貪拔畤銅圓縫▲襯張魯ぅ沺蕊卒擬圓いなくても、第二度近親者に2人以上の患者がいると発症リスクは1.25倍。曽祖父母や大叔父、大叔母といった第三度近親者に2人以上の患者がいる場合でも、このリスクは1.17倍。また、遠い親戚に患者が多ければ多いほど、自身のリスクも高まっていた。

結 論:アルツハイマー病の家族歴は、アルツハイマー病のリスクを正確に予測するための有力な情報。

考 察:家族歴は変えられないが、アルツハイマー病には修正可能なリスク因子がある。発症リスクを抑えるためには、知的な刺激による脳の活性化や定期的な運動、健康的な食事を心掛けるよう勧めている。

興味深い論文です。

家族歴の重要性は今まで十分指摘されていました。ベースにはApoEε4蛋白といったものを持っている家系的な遺伝子的な要因があることも推測できます。

今後、前方視的な研究が望まれます。

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本日は先週末行われた第20回アルツハイマー病研究会の話題です。

この研究会は、朝から夕方まで丸1日行われる名物研究会です。

今回、私が楽しみにしていた演題は「発達障害を認知症と診誤らないために」という演題です。

私はアスペルガーだADHDだ、ASDだという話しは聞いたことがありましたが、これほどじっくり聴いたことはありませんでした。

そもそも自分がいるフィールドに関係ないと本能的に排除していたかもしれません。
しかし、最近いわゆる「大人の発達障害」と思われるケースに出くわすことが多くなったのです。

菜の花診療所「北村ゆり」先生の院内の勉強会テーマは
.▲襯張魯ぅ沺次´脳血管性認知症 レビー小体型認知症 と達障害
とこの 銑だけだったのが、最近「発達障害」が増えているのでい鯆媛辰靴燭修Δ任后

このような発達障害を専門に診療していらっしゃる熊本大学 佐久田 静先生でした。
まだまだ若く、30歳代前半と思われる先生でしたが、一つ一つ丁寧な言葉使いで説明されて行かれました。

まず「発達障害」とは?
●生まれながらに特有の発達の偏り(非定型の発達)
●その発達は偏りは通常よりも著しく強い
●その発達の偏りゆえに、生活に困難が生じている
と規定されているようです。

ADHD(注意欠如・多動症)の有病率は報告者によっても差がありますが、2.5-10.7%

ASD(自閉症)の有病率は0.98%

つまり人口比でいえば、かなりの数が実際存在していることです。

児童期から発達障害を認知されていればいいのですが、わからないまま成人になっている場合には、認知症なのか発達障害によるものか判断するのは非常に難しいと言われています。

これからの診療には認知症の中に発達障害を考えながら診療していくことが非常に第鰺になっていきます。

そのためにも、これからは、もう少し発達障害というものに目を向け、研鑽していかなければならないと痛感し、ここを出発点にしていきたいと強く思った物でした。


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本日はこの話題です。

タイトル通りなんですが、高気圧酸素療法自身になじみがないのかもしれません。

高気圧酸素療法とは、大気圧よりも高い気圧(2~2.5気圧)環境下に患者を収容し、高濃度酸素を投与することで、組織の低酸素状態の改善を図る治療法です。血液中の溶解酸素の増加と酸素による抗菌作用、加圧によって、様々な疾患に対し効果の発揮が期待できます。

写真のような透明な装置の中に90分前後入って治療する方法になります。

今回は1例のケースレポートになります。

雑 誌:Med Gas Res(2019:8;181-184)

著 者:Dr.Paul G.( Louisiana State University,USA)

5年前から認知機能の低下を呈し、過去8カ月でアルツハイマー病が急速に進行した58歳の女性患者。
FDG-PETでは、アルツハイマー型の全体的かつ典型的な代謝障害を示していた。

方法:週5回の高気圧酸素療法を66日間、計40回実施。治療気圧は1.15気圧で1回の総治療時間は50分間だった。

経過:
21回実施後、患者は活力と活動レベルの上昇、気分や日常生活動作の遂行能力、クロスワードパズルの成績の改善を示した。

40回実施後は、記憶力や集中力、睡眠、会話、食欲、コンピューター使用能力の向上、調子の良い日/悪い日比の改善、不安の解消、見当識障害の改善、フラストレーションの減少が認められた。振戦、深い膝屈伸、継ぎ足歩行、運動速度も改善した。

検査:治療後1カ月の反復PET検査では、6.5~38%の脳代謝の増加を示した。

経過:高気圧酸素療法実施2カ月後、アルツハイマー病の症状が再発したため、その後20カ月にわたって薬物療法と継続的な56回の高気圧酸素療法を併用し、機能の症状レベルを維持した。

高気圧酸素療法は微小循環に働きかけることによって、アルツハイマー病の病理学的プロセスであるミトコンドリアの機能障害および生合成、アミロイド負荷、タウ蛋白リン酸化の抑制、酸化ストレスの制御、炎症の軽減に影響を与えることが期待される。

結論:高気圧酸素療法によるアルツハイマー病の症状改善とFDG-PETで実証された脳代謝の増加を同時に示した最初の報告例。Harch氏らは「高気圧酸素療法と薬物療法の併用により、アルツハイマー病を長期的に治療できる可能性が示された」と結論している。

1例報告ではありますが、高気圧酸素療法は比較的日本中に多くある医療機械であり、方法・適応も含めてよく知られています。今までの治療に加えるだけで一定の効果を示すわけですから、大変興味深いです。

高気圧酸素療法施行群と未施行群でのcontrol-studyが望まれます。

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本日は3月末に新聞にもでた抗認知症薬開発中止についてです。

3月21日のニュースです。

米バイオジェンと開発中のアルツハイマー型認知症の治療薬候補「アデュカヌマブ」について、臨床試験(治験)を中止すると発表した。

3段階で進む治験の最終段階に入っていたが、十分な治療効果を証明できない見通しが強まった。認知症治療薬は世界の製薬企業で失敗が相次いでおり、開発の難しさがあらためて浮き彫りになった。

この報道の翌日、開発している会社である「バイオジェン社」の株価は一時28%急落し、「エーザイ社」の株価は2日続けてのストップ安(売り手が多く、株の売買が成立しない状況)になっています。

つまり我々医師側の落胆以上に、鋭敏に株式市場は強く落胆していることになります。

 野村証券のアナリストは同薬剤こそアルツハイマー病の最大の希望と考えていたため治験の中止は「大きなネガティブサプライズ」だと指摘。投資判断を「買い」から「ウエート下げ」に引き下げ、目標株価を1万7000円から6000円に変更した。

 また、50%としていたアデュカヌマブの成功確率を0%にするとともに、同じく「エーザイ社」が開発中であり、類似したメカニズムを持つBAN2401の成功確率も50%から10%に引き下げています。

  モルガン・スタンレーMUFG証券のアナリストも同日付のリポートで、このタイミングでの中止発表は想定外だとし、BAN2401に対する市場の不安も高まるようなら、さらに株価調整の可能性が高まるとの見解を示しています。

 アルツハイマー病治療薬を巡っては、米ファイザーなど世界の製薬会社が開発に取り組んでいたものの、巨額の研究費を使っても十分な有効性を認められず失敗が相次いでおり、アデュカヌマブへの期待は非常に高かった。

 しかし、このような結果は今後抗認知症薬の開発に強いブレーキがかかり、新薬開発は恐らくかなりのタイムロスになることが考えられます。

 我々以上に市場が期待し、驚き株価まで左右するビッグプロジェクトなのです。

 これからの状況も要注目です。

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今回も最新の研究報告からです。

高齢化が進み、心房細動という不整脈の患者さんが増えています。

心房細動は長嶋監督・オシム監督・小渕首相などが心房細動から心原性脳塞栓症をおこし注目をあびた疾患です。

もちろん心房細動があれば脳梗塞をおこしやすい。そのため脳血管性認知症をおこしやすいと考えるのは非常にわかりやすいのですが、最近はアルツハイマー型認知症もおこしやすいという話になっています。

雑 誌:Journal of Internal Medicine(2019/3/2)

著 者:Dr.Lina Ryden(スウェーデン・ヨーテボリ大学)

目 的:2000~01年、70歳の被験者561例について、諸検査を75歳時と79歳時にfollow-upした。
70歳時の心房細動は、ECG、代理報告、National Patient Register(NPR)により確認した。
70歳・75歳・79歳の脳卒中は、自己報告、代理報告、NPRにより確認した。
ベースライン時およびフォローアップ時の認知症は、神経精神学的検査、代理報告、NPRに基づき、DSM-III-Rで診断した。

結 果:
/緩失抛阿鰺する参加者は、12年間のフォローアップ期間に認知症リスクがほぼ3倍に増加した。

∪別で層別した場合に男性のみ(HR:4.6、性別と心房細動の交互作用:p=0.047)
APOE対立遺伝子ε4の非保有者のみ(HR:4.2、APOEと心房細動の交互作用:p=0.128)で認められた。

心房細動による認知症の人口寄与危険度は13%であった。

結 論:無症候性脳血管リスクの指標としての心房細動の関連をさらに調査する必要がある」とし、また「心房細動の患者は認知症状を検査されるべき」と提言している

昨今の研究会などでも心房細動が心臓・脳梗塞だけでなく、認知症の危険因子であるという報告が大変ふせています。
この前向き研究でも同様の報告です。

高齢になれば心房細動自身はおこしやすい疾患です。
はやめの抗凝固療法の導入だけでなく、定期的な認知機能checkが必要な洋です。

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