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米国の有名な俳優であるブルース・ウイリスが「前頭側頭型認知症」になっていることが公表されました。大変、勇気のいる行動ですが、関わる我々にとっては大変ありがたいことです。
まず、誰でもなる可能性があることが改めてわかること。それと今回は「前頭側頭型認知症」と比較的に稀な疾患であり、啓発活動がやりやすくなるなどの恩恵があることなどです。
2022年3月30日ブルース・ウイリスの娘で女優のルーマー・ウイリスが、父であるブルース・ウイリスが失語症のため俳優を引退することを発表しました。その後、引退発表から約1年後の2023年2月中旬に、「失語症診断を発表してからも病状は進行しており、前頭側頭型認知症の診断された」と家族より発表され、世間を驚かせることになりました。
前頭側頭型認知症とは、四大認知症(①アルツハイマー型認知症 ②脳血管型認知症 ③レビー小体型認知症 ④前頭側頭型認知症)の一つです。日本の統計では、認知症全体の1.0%、当院の統計では1.2%の比較的稀な疾患です。
主として初老期に発症し、やや男性多い疾患です。大脳の前頭葉や側頭葉を中心に神経変性を来たし、人格変化や行動障害、失語症、認知機能障害、運動障害が緩徐に進行する疾患です。性差はなく、70歳以上で発症するのは比較的稀で、日本以外では同じような疾患の家族歴を有することがあると言われています。ブルース・ウイリスさんも66歳で発症したとなっています。
前頭側頭型認知症は脳の障害される場所と症状によって、行動障害型と言って認知症というよりは社会的な行動が取れない(ルールが守れない・身勝手な行動をする・万引きする・甘いものを異常に食べる)タイプと失語症が主体の言語障害型の2つに分けられます。
ブルース・ウイリスさんは失語症状で発症しているようなので、言語障害型前頭側頭型認知症と言えると思います。意味性認知症なのか、進行性非流暢性失語症なのかはマスコミ発表の文面から判断することはできません。
意味性認知症は言葉の意味が分からないために、会話がなかなか成立しなくなっていきます。言葉数としては、まずまずあるのですが会話としては成立しづらい印象です。
進行性非流暢性失語症は、話そうとする言葉の意味は理解できているものの、次に続く言葉がなかなか出てこないという症状がでてきます。ですので、言葉数が少なく、選択式で尋ねると選ぶことは可能ですが、経過とともに殆ど話せなくなっていきます。
いずれのタイプであっても他の認知症同様、根治させる治療方法はありません。抗認知症薬の効果は一定しておらず、積極的な使用も勧められていません。個々のケースに応じて治療することになります。
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