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アルツハイマー型認知症では、一般的には「認知症の問題行動」と言われ、専門的にはBPSD(認知症の行動・心理称状)と呼ばれ、介護者が困る症状として暴言・暴力・多動・興奮・妄想・不穏などの症状があります。
一般的には、患者さんへの対応を工夫することで解決できることもあるのですが、最終的には薬物療法が必要となることも少なくありません。
軽微な症状であれば抑肝散・抑肝散加陳皮半夏と言った漢方薬で対応することもありますが、どうしても抗精神病薬を投与しないといけないケースもあります。
その際に使用される薬剤としては、セロクエル(クエチアピン)・リスパダール(リスペリドン)・エビリファイ(アリピプラゾール)・グラマリール(チアプリド)などがあり、少量から投与し、症状が改善すれば速やかに中止することが勧められています。もちろん、投与することで症状が収まるケースもあれば、難渋するケースがあることも珍しくありません。
また、これらの薬剤には副作用があります。具体的には、
①程度の差こそあれパーキンソン病症状を生じるので、運動機能・生活機能が低下します。用量が多いほど、投与期間が長いほど重篤になります。
②意欲や喜びの感情が薄れ、その人本来の人間らしさが損なわれます。
③認知機能についても、投与しない状況より悪化のスピードは速くなります。
④さらに、肺炎・腎機能障害・脳血管障害のリスクが高くなると言われています。
加えて、薬剤としての保険適応はないため我々医療者は統合失調症やうつ病などの病名をつけて普段使っています。(厚生労働省としては、その現状については公式に許可しております。)
今回発売になる「レキサルティ」という薬剤は、アルツハイマー型認知症における、そのような諸症状(暴言・暴力・多動・興奮・妄想・不穏)に対して初めて治療薬として承認をしたという画期的な薬です。今までの抗精神病薬と比較して、効果は変わりなく、かつ副作用の発現頻度が少ない薬剤です。
既に米国では使用されていて効果が上がっています。今から日本ではアルツハイマー型認知症の患者さんが増えるため、このような薬剤が出てくることは大変喜ばしいことです。
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