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今回は、2026年6月に世界的な科学誌『Nature
Metabolism』に掲載され、認知症研究の世界に激震を与えている最新論文を解説します。
アルツハイマー病といえば、脳にゴミ(アミロイドβやタウタンパク)が溜まることが原因だと考えられてきました。しかし、今回の研究で「それらを引き起こす、さらに根本的な原因」の一つとしてグルコサミンが考えられることがわかりました。
①
脳のハイパーグリコシル化
これは難しい話ですが、アルツハイマー病の患者さんの脳では、糖の鎖が異常なほど大量にくっつき、文字通り「糖まみれ(ハイパーグリコシル化)」になっていることが判明しました。
今まではアルツハイマー病では脳のゴミ(アミロイドβやタウタンパク)を掃除できなくて残ってしまったとされていましたが、そうではなく、「脳が暴走して、自ら大量の糖を作り出してしまっている」という考えです。
②
糖まみれ(ハイパーグリコシル化)になるとどうなる?
脳の細胞の表面には、脳のネットワークを維持するための重要なタンパク質がたくさん存在しています。これらが過剰な糖でベタベタに覆われてしまうと、タンパク質が正しい形を保てなくなり、正常に働けなくなります。その結果、脳の神経細胞同士の通信が妨げられ、記憶力や認知機能の低下に直結してしまうのです。
③
市販のサプリメント「グルコサミン」が悪影響?!
グルコサミンは膝関節の痛みに非常に人気のあるサプリメントですが、実は糖鎖の原料となります。これをマウスにを投与したところ、糖まみれ(ハイパーグリコシル化がさらに悪化し、記憶や行動の障害が明らかにひどくなりました。
更に人間のデータを分析しました。膨大な医療ビッグデータを解析したところ、日常的にグルコサミンのサプリメントを飲んでいた人は、軽度認知障害(MCI)からアルツハイマー病への進行スピードが速く、認知症発症後の生存率も低下しているという衝撃の関連性が浮かび上がりました。
大事な結論としては、今までは脳にたまったゴミ(アミロイドβやタウタンパク)を除去するという治療法が主体でしたが、脳での糖の暴走をコントロールして、最初から病気を止めようという、まったく新しい治療薬や予防法の開発につながると期待されています。
更に良かれと思って飲んでいるサプリメントが、実はアルツハイマー病のリスクになっている可能性もあるので注意が必要です。
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